報道記者は忙しい! とってもとっても忙しい!!が、大好きな乗り物につ いて語れるならば・・・! 日本テレビ報道局記者・近野宏明の、愛と知識と 無邪気さを搭載した乗り物ブログ、いい感じで走行中!

#383「秩序」

|

乗りもののスムースな進行には、って、ほとんど前回と同じ内容かと思いますが、ハードのみならず、ソフトも重要です。ソフトの最たるものは「ルール」であります。

秩序.jpg

去年の年末、出張でインド・デリーに行った際、街ゆく車の流れにひとつの感慨を覚えました。かなりみんな、ムチャしてます。そして、そのムチャを押し通そうとするので、始終どこかでクラクションが鳴っています。とくに小さい車が大きなトラックに対して自らの存在を誇示したり、急ぐ車が追い越しをかけたりするときにはブーブー鳴らしまくり。

ムチャするなあ、とバスの中から見ていると、それはそれで効果があるようで、きわどくもスレスレのセンで互いにやりすごしています。我々の感覚に比べると、車間距離、スピード、ハンドル操作、など安全上のマージンが明らかに小さいんですけど。

モータリゼーションの黎明期って、こういう感じなんでしょうね。日本の50年前、もこんな塩梅だったのかなと思います。排ガスの匂いもふくめて。


#382「轍」

|

 乗り物がスムーズに動く為には、ふつう、車輪が踏みしめる接地面をがっちり固めてスムーズにすることが必要です。鉄道のレールはその極みみたいなもので、あれだけ硬い鉄の上を硬い車輪が回るからこそ、滑らかに進むわけです。そのぶん停めるのは大変でもありますが。

轍.jpg

 誰もが行き交うことにより、結果としてレールのようになめらかな道のりができる、というのがきょうの写真です。京都御所のなかは舗装されず、細かい砂利が敷き詰められていますが、その敷地を突っ切ってゆく自転車は、見ていると大概この轍の上を音もなく滑らかに進行しています。

 おもしろいのは、一直線かというとそうでもなく、けっこう左右にぶれていること。最初にできたがそうだったことが伺えますが、所要時間に大差が生じるわけでもないので、みなさんなぞって進みます。

 真夜中のうちに誰かが定規で線を引いたように、真っ直ぐなを引き直したら、毎日通過するひとはどう感じるのでしょうか。意外や、あまりにまっすぐだと走りづらいものでしょうか。


#381「番線」

|

 更新が滞るばかりで、自分としてもどうかと思いますが、忘れた頃に更新いたします。前回自分が書いたとおり、一気に再始動なんかできませんでした。苦笑。

番線.jpg

 写真は京都市内の阪急電車です。あんまり今まで気をつけていなかったのですが、ホームに流れるアナウンスをよく聞いていると、東京なら(というか、阪急以外の多くの路線では)「1番線」「2番線」というところ、阪急は「1号線」「2号線」とよぶのですね。なのでこの写真は「2号線」に停車中の電車、となります。

 「1号線」と言われると、私の感覚ではむしろ「国道」を思い出すわけで、そこをゆくのは電車ではなく「大型トラック」のほうがしっくり来るのですが、阪急沿線にお住まいの皆さんは「1号線」に「普通電車」が走ろうと、何も違和感を覚えないのでしょう。

 こういう差違は気をつけていないと逃してしまいます。現に私はあれだけ阪急電車に乗っていても、最近までまるっきりスルーしていました。べつにホームでぼんやりしてたわけじゃありませんが。


#380「発進」

|
 みなさまこんにちは。久しぶりの更新です。夏以来忙しくしておりまして、なかなか更新ができませんでした。たまには書きたいと思いつつ、あっという間に4か月。ずいぶんと長い小休止でありました。 発進.jpg 乗りものの場合、小休止の後は発進、があるわけで、きょうの写真もそんな感じです。東京都電の出発シーン。ここ東池袋の停留所は、ホームの先に大通りが線路と平面交差している(しかも踏切はない)ので、電車と車の信号が共通になっています。ちょっと休んで、信号が青になって、一気に加速していきます。当コラムが一気に再始動できるかどうか、ちょっと心配ですけどお許し下さい。

#379「孤独」

|

 本日39回目の誕生日を迎えました近野です。平均的な余命を考えると、だいたい半分は過ぎてしまったわけですが、このトシになって趣味の乗りものについてこうして書き連ねていられるというのは、非常にありがたいことなのでしょう。皆様のご支援に感謝。

 さてきょうも香港。香港島の南に浮かぶ、「南丫島」の海であります。

孤独.jpg

 もしかすると、当コラムでもっともプリミティブな乗りもの、かもしれません。小船に立ち乗りしてひょろひょろと漕いでいくおじさん。私が昼ごはんを食べていたら、その前を飄々と過ぎ去りました。

 海で「ひとり乗り」というのは、周囲の自然が大きいだけに、その孤独感も比例して大きいのではないか。しかるに多くの漁師さんはひとりで海に立ち向かいます。そのことだけで頭が下がります。39歳にもなっていつもひとに助けてもらっている私など、まだまだだなぁと思うばかりです。


#378「余裕」

|

 遅ればせながら、前回のステンレスシートは香港の地下鉄です。ビジネスマンや観光客に溢れ、活気に満ちた香港ならではの、「ご多忙な人向け」のしつらえ、言えるかもしれません。

 その同じ香港の地下鉄で撮った1枚がきょうの写真。このコラムでも以前に取り上げた「ホームドア」です。

余裕.jpg

 ホームに設置されているガラスのドアと、電車のドアとの関係をご覧下さい。両者の幅にそう違いがありません。通常こういうものを作る時には、多少電車の停車位置がずれてもいいように、ホーム側のドア開口部に余裕をもたせ大きくするものですが。意外やこの余裕の少なさ。もしも停止位置を補正するシステムが無いならば、運転士は緊張するでしょうねえ。

 ところでまもなくお盆に入るわけですが、この原稿はかなり早い段階で書いています。アップされる頃には世の中どういう状況になっているのか。私の能力ではぴたりと言い当てるほどの余裕はありません。


#377「硬質」

|

 できるだけラクに移動したい...これは人類共通の願いです。交通機関の進歩は、スピードの追求と並行するかたちで快適性の追求によるところも大きいものです。

 たとえば最初期の飛行機は、木製のフレームの上に体をむき出しにしたまま乗るものでした。それがいまや、我が家に居るより快適なんじゃないかと思うぐらいの、柔らかで快適なベッドに早変わりするシートも。乗ったこと無いですけど。

 そこで今回考えたいのが、こちらです。

硬質.jpg

 地下鉄の座席、です。窓に沿って並ぶ長いす状のこのシート。写真でもお分かりのようにステンレスそのもの、です。見るからに硬いし、座っても硬い。決して快適とは言い難いものがあります。加減速の際にはお尻が横方向に滑りそうな気もしますし。

 短時間の乗車ならこんな感じで良いのかもしれませんし、万一の列車火災が発生したときには、こういう材質のほうが安全なのでしょう。でも、やっぱり快適性の追求、というテーマを失って欲しくないんです。乗りもの好きとしては。


#376「大王」

|

 久々の香港シリーズです。九龍のメインストリート、ネイザンロードから一本入ったところにこの黄色いバンは停まっていました。赤いタクシーをはじめ、街行く車は日本よりもビビッドな色が多い香港ですが、このバンはひときわ目を引きます。なにやら「檸檬大王」と。大王とはまたずいぶん大きく出たなあ。

大王1a.jpg

 歩道沿いに横に回り込むと「檸檬王」なる品を安く売っているので、試しに買ってみると手渡されたのがこの袋。

 袋を開けてみると、何やら黒っぽくいかにも渋い色合いの干物が登場。手にとってみると、なんとも薬草っぽい香りも。恐る恐る千切って口に運ぶと、おお、これはまさしくレモン

大王3.jpg

 甘草の粉がまぶしてあるので、若干苦みもあり、手が止まらなくなるようなタイプの味ではありませんが、口の中に拡がる味も意外に「渋ウマ」。漢字だらけの説明書きを読むと、胃腸やのどにいいらしいとのこと。
 しかし写真を改めて見てください。派手なレモンイエローの車と渋い黒みのかたまりとのギャップ。いかにも香港らしい組み合わせですね。


#375「AED」

|

 先回の続きです。円い窓の前にはちょっとしたテーブルがあり、携帯電話の通話をしたり、ちょっとした書き物をしたりするのにいい感じのデッキです。

AED.jpg

 で、今回注目はそのテーブルの下。壁に内蔵されるかたちでAEDが備え付けられているんですねえ。死に至る恐れのある心臓の細動を取り除く機器です。最近は多くの公共施設に設置されていますよね。

 不特定多数のひとが利用する鉄道には、こういう設備は有用ですね。もちろん使う必要が無いというのが理想ですけれど。

 ただひとつ気になるのは、この場所、この表示だとちょっと目立たないんじゃないかということ。どうですかね。私の目には周囲ととけ込みすぎて、多くの人に認知されにくいような気がします。折角の装備ですので、目立つことも大事ではないでしょうか。


#374「マル」

|

 固定観念というものは「固定」されてしまうとなかなか拭い去りがたいものがあります。だからこそ固定観念なんですが。

 乗用車といえば普通は4輪。しかしかつて6輪のものや3輪のものもありました。船といえばスクリューで進むものと思いきや、スクリュー無しで進む船もあります。乗りものの世界でも、知らず知らずのうちに我々のアタマにはパターン化された概念が固着されているものです。

マル.jpg

 そこまで大げさな話かよ!と突っ込まれそうですが、きょうの写真は鉄道車両の中で撮ったもの。成田空港への新しいスカイライナーに乗ったとき、会社との連絡をすべくデッキに出ると、そこには「円い窓」がありました。

 鉄道車両の窓と言えば四角いもの、(せいぜい角がラウンドしている程度)という概念を大きく打ち破るこの円い窓。じっと見ていると船に乗っているような気持ちになるのは、「円い窓=船」という固定観念もまた、私の意識に潜んでいる現れですね。


2012年4月

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

プロフィール

近野さんポートレート
近野 宏明
(こんの ひろあき)

現在、報道局政治部記者。鉄道、自動車、航空機などの乗りもの・交通全般に詳しい。

more

カテゴリ