2015年12月アーカイブ

#469「安定」

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 乗りものというもの、見られるハズの無いところで目撃すると嬉しくなるものですが、反面、あるべき場所で見るというのは、そこはかとない安定感を感じられて、それはまた良いものであります。

20151229-1.jpg 20151229-2.jpg  ここは、メリーランド州のハバディグレイスという小さい町。「優美な港」というフランス語をそのまま英語読みした町です。サスケハナ川がチェサピーク湾に注ぐ場所にあたるところにあるので、古くから港町として栄えたようです。「サスケハナ」といえば、黒船来航でおなじみ、ペリー提督が日本にやって来たときの乗りもの(=軍艦ですが)の名でも知られていますよね。この川の名前に由来するそうで。

 こぢんまりした町を歩いていると、がらんとした通りに1台のマスタング。道の突き当たりには川が見えます。なんでもない古い町並みに、静かに佇むマスタング。実に安定感があります。東京の表参道あたりで見かけるのも良いですが、こんなシチュエーションはサマになりますね。

 ところで、この町。大ヒットしたドラマ『ハウス・オブ・カード』(日本ではHuluが配信)の主人公の故郷という設定でロケがされたことでも、ワシントン界隈では知れています。

#468「三輪」

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 日本ではあまり見ないのが、三輪の乗りものです。高度成長期には「オート三輪」という、機能とデザインと価格という3つの要素を巧みに融合した乗りものがありました。映画「ALWAYS 三丁目の夕日」にも登場しましたね。酒店や米店、燃料店など、「近距離の配達」では大活躍でした。その後は、ピザやお寿司の配達...というか「デリバリー」の分野で、三輪のスクーターが跡を継いだかたちです。

20151222-2.jpg 20151222-1.jpg  ワシントンの市街地で見かけたのは、オート三輪のかわいらしさとは対極にある、躍動感に溢れたこちら。車輪の配置も前後が逆で、こちらは前輪が2つ、後輪が1つです。地を這うような低いドライビングポジション。屋根は無く、風よけも小さいスタイルは車というよりバイクに近いですね。メーカーのウェブサイトを見ると、お値段は2万2000ドルぐらい。これ1台で済ませるにはいろいろ考えざるを得ませんが、アメリカの戸建てであれば駐車スペースもふんだんにありますからねえ。

四輪の安定感と二輪の軽快感のあいだ、その楽しさは充分想像つきます。実際、これを駐めて降り立った男性、ものすごくイキイキとした表情でしたので。「写真撮ってもいい?」と尋ねると「もちろん!」と満面の笑み。市街地で走ってもそうだということは、ちょっと郊外にでたら、そりゃもう...。乗ってみたい。

#467「至近」

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20151215-22.jpg  実に4か月ぶりの更新です。8月の半ばに夏休みをとってから、9月10月11月と、本業がとても忙しかったのです。夏のあの頃、日本は連日の猛暑、ワシントンもまだまだ日射しは強く...。きょうの写真は、そんな暑い日に撮った一枚です。

 前回(って4か月前ですが)掲載した写真の場所とほぼ同じところ。ポトマック川の岸や橋の上は、レーガン空港へ離着陸する飛行機を眺めるのに好適な場所なのです。とくに着陸時、ゆっくりと飛来する機体、機体下部の継ぎ目はもちろん、リベットまでくっきり見えるんじゃないかと思うほど。首都の枢要な建物や地域のすぐそばを、これだけ低く突っ切る飛行機、考えてみるとなかなかスゴイ光景です。あらぬ方向にちょっと操縦桿を傾けるだけで、たいへんな事態になってしまうのですから。

 しかし写真を撮る度に感じるのですが、人間の目というのはとんでもない性能を持っていますよね。実際に橋の上を飛んでいく飛行機を仰ぎ見ると、その迫力は写真の比ではありません。もっとちゃんとしたカメラを持ってジョギングに出れば、いい写真が撮れるとは思いますが、そうなると主客転倒してジョギングがおろそかに‥‥。乗りもの好きの悩みは尽きません。

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プロフィール

近野さんポートレート
近野 宏明
(こんの ひろあき)

現在、ワシントン特派員。鉄道、自動車、航空機などの乗りもの・交通全般に詳しい。

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