2009年9月アーカイブ

#300「300」

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 おかげさまで300回、「乗りもノート」もまさかこんなに続くとは、夢にも思いませんでした。今回は何を題材にしようかと考えましたよ。飛行機だったらエアバスA300とかボーイング747-300。しかし写真を撮るチャンス無し。

 自動車ですと、メルセデスベンツE300とか、C300なんかも思いついたのですが、あれは「グレード名」であって車名ではないしなあ…。そうだ「クライスラー300C」ってまさに車名。しかしなかなか路上で写真を撮れることがなくてねえ…。と、いろいろ考えているうちに掲載日は迫りつつ。

300系新幹線

 結局いちばん安直な写真になってしまいました。日本テレビから見える東海道新幹線。「300系」です。この車両がデビューしたことで、世界に誇る新幹線のスピードは大幅にアップしましたね。もし「日本国民が今までに乗ったことのある車両ランキング」を集計したら、恐らく上位に来るのでは。我が「乗りもノート」も見習いたいものです。今後も300系同様、ごひいきに。


#299「NEX」

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成田エクスプレス E259系

 成田エクスプレスに試乗しました。E259系といいます。エクステリアはこれまでよりも白い部分が増えて、軽快感が増しました。で、中に入るとすぐ目につくのがこちらの表示。液晶画面でフライトインフォメーションが次々と表示されます。まさに空港連絡特急。

成田エクスプレスのフライトインフォメーション

 でも今回の最大の改良は「普通車の腰掛」ではないでしょうか。これまでの成田エクスプレスの一部には、集団見合い方式と言われる、車両中央に向けて座席が固定されたものもありました。これはつまり、普通車の乗客の半分は、背中のほうに向かって電車が進行するわけで、非常に気持ちが悪い。

成田エクスプレスの座席

 ところが今回はきちっと回転するシートに変更。しかも側窓の天地寸法が大きくなって、車内に広々した解放感が出ました。今までは、東京駅や新橋駅の地下ホームの薄暗さとあいまって、よく言えば落ち着いた雰囲気、ともするとほの暗く湿った感じもあったのですが。今度の新車は普通車の快適性が向上したので、グリーン車の利用率が下がるかも?ちなみにグリーン車の座席は黒いレザーで、サイズも若干大きいもの。座ってみるとやっぱり1ランク上、であることは間違いありません。

 大満足の新型車両。問題は、「乗る機会がそうそう無い」ということであります…。ああ海外旅行。


#298「カメラ」

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 バスの側面を利用した広告というのは、ちょっとした工夫が凝らされている場合があります。新橋の駅近くで目撃したのがこちら。

カメラ バス広告

 家電量販店の広告がプリントされた側面。よく見ると、前後のタイヤ部分がうまいこと利用されています。一眼レフカメラを正面から捉えたようすですが、レンズ部分の円をバスのホイールで表現しています。前輪は左右に曲がりますから、カメラ本体部分とちょっとズレるのはご愛敬。でも後輪はなかなかピシッとど真ん中、ブレることなく決まってます。

 ブレと言えば、そもそもこの写真。道路の反対側の歩道から携帯電話で撮影したものですが、ブレてます。「おっ」と思って携帯電話を取り出したのですが、ちょっとピントが…。「乗りもノート」300回を目前に、不本意なブレブレ写真であります。反省。


#297「ゴンドラ」

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  作業用ゴンドラ2ビルのメインテナンスをしています。これ、日本テレビから見たお隣り、「汐留タワー」です。こういう作業用のゴンドラははたして「乗りもの」なのかと自問いたしましたが、この作業員がどういう状態か一言で言うと?と聞かれたら「ゴンドラに乗っている」と答える人がほとんどでしょう。ゆえに「乗りもの」だと自答した次第です。はい。「乗りもの」ということでオッケーでしょう。

 

  このゴンドラ、ビルの8階あたりをいま作業中ですが、上がどうなっているかというと、こんな感じ。

ゴンドラ 日本テレビとほぼ同じ、200m近い高さの屋上から、ワイヤーで吊り下げられています。ひゃー。もちろんワイヤーはひときわ堅牢なものでしょうから、まず万一のことはあり得ませんが、怖いですよねえ。この写真を撮っていたら、会社の先輩が通りかかり、「どんなにお金を積まれても、あれには乗りたくない」と呟いていきました。きっと高所恐怖症なのでしょう。

 私はというと、むしろ一度乗ってみたい。普段乗れないものだからこそ、好奇心が湧くのですねえ。私の乗りもの好きは、ゴンドラを吊るすことさえできるような「筋金入り」なのであります。ふっふっふ。


#296「運賃」

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近鉄の電車の中に掲げられていた「運賃表」です。最近はこういう表示板が電車内に表示されているのをよくみかけますね。私の実家のある新潟近郊でも、ワンマン運行をしている列車を中心に、バスのように次の駅までの運賃表が掲出されています。

運賃表.jpg

乗りものに疎い方の話を聞くと、まず電車に乗る段階で、切符売り場の上方にある地図を見ながら、目的地までの運賃を確認するのも苦手なんだそうです。「乗りもの苦手」「地図も苦手」がかなり重なるというのが私の説。たしかにたいへんなのでしょう。こういう表示が車内にあって、後払いとなれば、乗りもの(に、まつわる手続き)が苦手な方もだいぶ安心でしょう。

ところが昨今は「Suica」「PASMO」に代表される、ICカードが隆盛。残高を多めにチャージしておけば、料金表を気にせずスイスイ乗れるようになりました。券売機に小銭を入れて、ボタンを押して…という段取りも、いずれは昔話となるのでしょうか。


#295「動力源」

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 世の中「ハイブリッド」「燃料電池」と新しい動力源が注目されていますが、やっぱり根元は「人力」でしょう。二酸化炭素の排出もきわめて小さいですし。
 人力車が復権するとしたら、どんな世の中なのでしょう。人力車の速度は人の走る速度ですから、時速10キロぐらいか。となると2時間も3時間も走るわけにはいきません。おそらく半径5~10キロぐらい、というのが人力車生活には適正な生活圏、と言えましょう。

 考えてみると江戸期から明治にかけての東京は、今に比べるときわめて小さい範囲でした。いわゆる下町部分がほとんど。「本郷もかねやすまでは江戸の内」との川柳がありましたが、本郷の台地あたりまでは江戸の内でも、新宿・渋谷などはまったくの「都市外縁」。落語「目黒のさんま」でもお殿様は目黒で「狩猟」をしたぐらいですもんね。

 かつての東京というのは、人力車に相応しいサイズの街だった、というのは十分うなづけます。それにしても写真の人力車。ずいぶんと長いこと走っていたのか、すっかり緑に覆われて…。

人力車

#294「ぶどう色」

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山手線のホームに「阪急電車」が滑り込んできたような錯覚を覚えました。ツヤツヤのボディはいかにも塗り替えられたばかり、という印象を与えます。

ぶどう色1.jpg

東京の環状の大動脈、山手線は1909年に「山手線」と名付けられました。それから100年。最初のカラーリングに近い色に1編成だけ塗り直され、月曜日からぐるぐると走っています。1編成しか無いのに、私はこの1日だけで2回見かけました。もちろんずっとホームで張っていたワケじゃないですよ。

ところでこの色、各メディアでは「チョコレート色」と表現しています。今回の復刻調ペイントには「チョコレートの明治」のロゴが入っているのでなおさらのこと、しかし、正式には「ぶどう色2号(さらに古くはぶどう色1号)」という色です。今でこそ電車の色はとりどりですが、旧型車両の色といえば、この「ぶどう色」と決まっていましたね。改めて見ると、ずいぶんと渋い「ぶどう」ですなあ。阪急の電車もそうですが、明るく鮮やかな色に慣れた目で見ると、こういう渋めの色というのはなかなか新鮮。大人の色といいましょうか。

ぶどう色2.jpg

チョコレートとぶどうと電車。一分の隙もない取り合わせです。甘党で果物好きで電車好きの私に取っては(笑)。


#293「パンク」

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パンク.jpgすごい看板を見つけてしまいました。「出張パンク」です。電話一本、依頼があればどこへでも。アンプにギターをつなぎ、スプレーで髪の毛をおッ立てて、顔には塗り物を施し、「いくぜベイベー!」…出張パンク、もしそうだったら大変なことですな。家に呼ぶには騒音が問題になりそうですし、河原とか山奥とか、そういう場所じゃないと成り立ちません…。

と、引っ張ってきましたが、この看板、タイヤ屋さんの前に貼ってありました。どうやら「出張パンク修理」なんでしょうね。もちろん省略しても意味としては伝わるのですが、やっぱり「修理」の二文字があるとないとでは大違い。もしや「出張してタイヤをパンクさせちゃう」のかと、うがった読み方をする人も出てきそうな、大胆な文体です。

いつから掲げてあるのかわかりませんが、この看板、微妙に年季が入ってます。色褪せた感じに見えるのも、ちょっとスカした感じでカッコいい気もしますよね。まさにパンクな感じ。まさかパンク修理をパンクミュージシャンの出で立ちでやってくれるのだったりして…。


#292 「スタートライン」

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 日本政治史の新たなページが開かれました。選挙の投票による本格的な政権交代です。ここまで長らく政権交代を訴えてきた民主党。いよいよその真価が問われるスタートラインに立ったわけですね。

 ところで乗りものにも同様に「スタートライン」があるわけでして。鉄道はその路線の始まりがはっきりと表示されています。きっと鉄道ファン以外は何も気にしていないと思いますが。

  「0キロポスト」 写真はJR大崎駅の構内にある表示。「0キロポスト」です。路線の起点からの距離を示す標識を「キロポスト」と言いますが、まさにその出発点ゆえ、「0キロポスト」。ここがスタートラインなんですねえ。…って、何線のスタートラインなのか、実はよく分りませんでした。大崎には山手線の車庫があるので山手線かな、と思いきや、山手線は品川が起点ですもんね。どうやら貨物線の、しかも枝分かれした路線長2キロほどの短い支線の、0キロポストのようです。

 民主党政権の道のりは支線のように短いのか、それとも東海道線のように太く長く続くのか、興味深いところです。


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プロフィール

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近野 宏明
(こんの ひろあき)

現在、ワシントン特派員。鉄道、自動車、航空機などの乗りもの・交通全般に詳しい。

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