2008年12月アーカイブ
いよいよ2008年もあとわずか。「乗りもノート」も今回が今年の最終回であります。100回あまりのご愛読ありがとうございました。
さて、いまちょうど時期としては年末から年始への橋渡し。「つなぎ目」にあたる時期なんですね。だから、ということで今回ご紹介の写真は「つなぎ目」です。JRの205系。隣の車両にわたる通路です。子どものころに乗った鉄道車両は、乗降口のドアが車端に2か所、つまりデッキがあるタイプが多かった。そのさらに先に「つなぎ目」があったわけですが、これがまた「暗い」「怖い」ものだったんですねえ。
何しろモノによっては茶色に塗られた古びた客車。客室の照明も白熱灯だったものもありました。乗降ドアも手動!で、つなぎ目に乗ってみると、カーブのときにその怖さが頂点に達します。ギーギー言わせながら前の車両と後ろの車両がぐにょっと曲がり、饐えた匂いもするのです。両車からは鉄板のような踏み板がそれぞれ出て一部が重なっていますが、子どもにとっては何とも「心もとない」雰囲気の場所だったんですねえ。ふと、「連結器が外れたら…」みたいなことを考えちゃう。
ということで、なんだか不安を思い出しながらの年の瀬になりました。すみません。つなぎ目を乗り越えた来たる年はよき1年になりますように…。
深山幽谷の水面に浮かぶ小さなボート。山あいの水辺は足を滑らせたら二度と上がってこられないような気持にさせられます。そして船上の二人は釣り竿をひゅうと振り、あとは沈思…。たまには都会を離れてこういう場所に行くのもいいでしょう。
と、引っ張ってきましたがここは都会も都会。東京・赤坂見附のお堀であります。清水橋なる橋のたもとには貸ボート場が。平日の昼間にもかかわらず、数隻がぷかりと浮かんでいましたよ。2枚目の写真はちょっと引き気味にして撮ってみました。すると後ろにそびえたつのは、はい。ホテルニューオータニのタワーです。
あっちからこっちを見ると、どういうふうな感覚になるのでしょうか。スーツ姿の男がひとりお堀端の路傍で携帯のカメラを自分たちの方向にむけている…ヒマなサラリーマン、でしょうね。
しかし改めてこの写真を見ると、なんだか「合成写真」みたいな気もしてきます。ホントは山梨のとある湖で撮った湖面の写真に、都心のビルを貼り合わせてみたんですけどね。えへへ…。さあお立ち会いっ!この写真は合成でしょうか?本物でしょうか?
今年のお正月大好評だった「トミカ博」(乗りもノート#119、#120)が09年もパシフィコ横浜にやってきます!何しろ日本の子供たちなら誰でも一度は手にしたことがある、と言っても過言ではない「トミカ」が大集合です。
パワーアップするのは展示やアトラクションだけではありません。今回も入場記念トミカ(非売品)があるんですよ。「マニア垂涎」の車種は一見すると去年と同じ中継車?と見えるかもしれません。しかししかし!今回はカラーリングがかなり凝っています。
関東地域の視聴者の皆さまにはお馴染み、「日テレ55」バージョンなんです。
しかも白と青の2色で、運転席上部のなどのロゴも芸が細かいっ。これはコレクターならずともぜひ手にして頂きたいですね。
もちろん「ズームイン!!SUPER」でおなじみのズーミン、チャーミンも登場。箱根駅伝で活躍した107号中継車がやってくる日もあります。よい子の皆さん、そして私と同じ乗りもの好きのオトナの皆さん!新年は「トミカぎっしり博」にぜひ!
※日テレイベント情報→http://www.ntv.co.jp/event/
滑らかでいかにも最新のデザイン、という感じですね。富山から届いた写真です。
写っているのはもともとJR富山港線だった路線を路面電車化した、「富山ライトレール」の車両。一見してわかる特徴はそのきわめて低い床。ホームや周囲の路面との高さ関係をご覧頂けばその凄さ、ご理解頂けますよね。バリアフリーもここまで出来るという好例です。つるっとした突起物の無い車両デザインはアムステルダムあたりの路面電車を思い出しますが、車両は日本製だそうです。へぇ…。ちなみに停留所周辺も含め、トータルでデザインされているそうで、北陸本線から下車してこの光景を見ると、きっと今までとは違う旅情を喚起されることでしょう。
JRから移管されてスタートを切った富山ライトレール。乗客はJR時代に比べてぐんと増えたそうで、まずは再生に成功といっていいでしょう。東京でもこういう形式の鉄道を造れないかという構想はあるようです。私の地元、新潟も駅から市街地・官公庁のエリアを循環させるかたちでできると良いのになあ…。
ところでこの写真を撮影、送信したのは地元・富山の北日本放送アナウンサー、上野透さん。先日汐留の日本テレビにてお目にかかった際にお願いしました。簡潔にして要所を押さえた撮りっぷり、実はかなりの鉄道好きと見ましたよ。
遠目に見てもよくわからない。近くで見ると「ほほぉー」というもの、ありますよね。とある超有名テーマパークでは、来園者の写真をおびただしい数のモザイクのように貼り付けて、遠目に見ると一つの図柄にしたものがあるそうです。
今回の写真もそんな感じ。都営大江戸線の本郷三丁目の駅コンコース。壁には一見カラフルな色分けがされているかに見えます。しかし近づくと、何やら文字が…どうも文学作品の一節とおぼしき…私はよく知らない作品もたくさん書かれています。あ。教科書で読んだものもありました。新川和江「わたしを束ねないで」です。もうちょっと隅々まで読みたいのですが待ち合わせまでの時間がない…
ちなみにこの大江戸線の本郷三丁目の駅は、入り口もちょっと控えめ。遠目で見ると「どこ?」よくわかりませんが、近くになると「あ。ここが地下鉄の入り口だ」。外も中も、目を凝らすことを求められるなかなか味な駅です。入り口は黒い服の男性が出てきたあたりですが、あまりに目立たないせいか、「地下鉄入り口」なる看板が横の電柱に3つも!…時間が無いといいつつ表で写真を撮ってる私に今さら気付きました。
新幹線のホームではよく見られる光景です。「整列!」ゆるーくカーブしたホームにピンク色の制服をきた女性たち。そう。お掃除と車内整備の係員です。東京駅の場合、大井にある車両基地から回送されてくるときにはすでに整備は終わっていますが、上り列車が折り返しですぐ下りに替わるときは彼女たちの出番。あれ、きちんと計ったことがないですけど、実はものすごく短い時間のあいだですよね。
ゴミを片付け、座席の向きをぐるんと回転し、足元の清掃、あるいは背もたれの枕部分の布を交換…。その手際たるや、まさに職人芸。ホームに整列したときの様子は、きちっと規則正しい間隔に見えますが、あれとてもちろん分担が決まっているからですよね。
もちろん鉄道車両の整備ですから、安全第一。事故の無いよう、指差し確認をしながら進めているのはなんともきびきびしていて、見ていても惚れぼれします。私なんか手伝ったら、きっとモップやバケツを下ろし忘れてしまいそうな不安が…。そういえば、ほんとに下ろし忘れたらどうなるんでしょ。時速270キロでさようなら…??
ということで、11月30日をもって0系が引退しました。今回は先日の続きです。車内のようす。 一通り見たのですが、やはり最新のN700系とは違いますね。通路の写真をじっと見ても、まず色合いがなんとも事務的。そして扉部分などに意外に凸凹があるのにも気づかされます。N700系の通路は「角がない」ような作りも見られるのですよ。ラウンドしていてちょっと雰囲気が違います。
そして、きっと当分は足を運ばないであろう駅にも降りました。「博多南」駅です。博多から南に数キロ進んだ、新幹線の車両基地のすぐ手前にぽつんと1本の、短いホームがありました。ここは交通手段の乏しい周辺住民らの要望で設けられた駅。鉄道営業上は在来線扱いですが、実際に走る車両は新幹線車両ですので、特急扱いとして運賃のほかに特定特急料金を払います。しかしこのたたずまい。地方のローカル線みたいですよね。小さい改札を抜けてトントンと階段を上がるとそこに新幹線。この写真に見える0系も「今は昔」となったんですね…。
はい。O君のオマーン報告・現代編です。街は車で溢れているのですが、その理由もむべなるかな。ガソリンがべらぼうに安いんですって。1リッターおよそ40円。産油国の強みなんでしょうけれど、そこまで安いとなかなかエコロジーという方向性の話がかみ合わないのではと心配になってきます。
しかし都市を出ると道路整備はまだ十分とは言い難いところもあるようで。この写真を最初に見たときには、どこをどういうシチュエーションで撮影したのか、私は一瞬わかりませんでした。一応、道路、だそうですが、本当は「川」ですって。夏場に川の水位がさがったところは道路として使うのが当たり前、だそうで。オマーン人曰く、「川を走った方が上り下りの緩急が少ないし、速く走れる。天然のハイウェイだ」とか。冬場、川に水が流れるようになると「通行止め」になるそうです。
しかしこの「川の道」、日本だったらお金取って運転を楽しませる、新手のアミューズメントになりそうだなあ…。
こういう道や前篇にてラクダ君が歩いていた砂地を走るには、ヘビーデューティーな仕様の四輪駆動車が必須ですよね。当地では 日本の高級四輪駆動車のステイタスはきわめて高いそうです。
リアルタイムスタッフのO君が、中東・オマーンに行ってきました。出かける前に「現地の乗りもの事情を写真に撮ってきて!」と「乗りもノート特派員」としての辞令を口頭で発令したところ、なかなか味のある報告がありましたので、さっそくご紹介申し上げます。
まずは…これ。
って、ラクダですね。しかもこの写真、パソコンや携帯電話を購入したときに最初からインストールされている「壁紙」もしくは「待ち受け画面」のような出来です。確認したところ、ほんとにO君が撮影したそうですよ。たしかに、かの地で乗りものの原点といえばラクダでした。旅の足であり、輸送手段であり、友でもあったはず。今回の旅でO君は乗ることができなかったことを残念がっていました。
そして2枚めは…こちら。
って、また壁紙画像??いやいや、これもO君が撮影したそうですよ。絵に描いたような帆かけ舟。オマーンは「シンドバッドの故郷」としても知られています。自然のエネルギーを移動のエネルギーに変えて進む。こうして改めて2枚の写真を見ると、原初の乗りものはエコであった、という当たり前の事実に気づかされますね。いまのオマーンがどうなっているかはまた後日。