#223「つなぎ目」
いよいよ2008年もあとわずか。「乗りもノート」も今回が今年の最終回であります。100回あまりのご愛読ありがとうございました。
さて、いまちょうど時期としては年末から年始への橋渡し。「つなぎ目」にあたる時期なんですね。だから、ということで今回ご紹介の写真は「つなぎ目」です。JRの205系。隣の車両にわたる通路です。子どものころに乗った鉄道車両は、乗降口のドアが車端に2か所、つまりデッキがあるタイプが多かった。そのさらに先に「つなぎ目」があったわけですが、これがまた「暗い」「怖い」ものだったんですねえ。
何しろモノによっては茶色に塗られた古びた客車。客室の照明も白熱灯だったものもありました。乗降ドアも手動!で、つなぎ目に乗ってみると、カーブのときにその怖さが頂点に達します。ギーギー言わせながら前の車両と後ろの車両がぐにょっと曲がり、饐えた匂いもするのです。両車からは鉄板のような踏み板がそれぞれ出て一部が重なっていますが、子どもにとっては何とも「心もとない」雰囲気の場所だったんですねえ。ふと、「連結器が外れたら…」みたいなことを考えちゃう。
ということで、なんだか不安を思い出しながらの年の瀬になりました。すみません。つなぎ目を乗り越えた来たる年はよき1年になりますように…。