2008年1月アーカイブ
都電がゆきます。というより、広告がゆく感じです。
こういう電車/バスを称して「ラッピング電車/バス」と言います。
ふつう「ラッピング」と言いますと、無粋なボール紙の箱をピタッとキレイに覆ったり、味も素っ気もない商品を華やかに包んだり、ですよね。しかししかし。乗りものの世界で「ラッピング」というと、ちょっと様相が異なります。もともとデザインされたオリジナルの塗装をぐわーっと思い切りよく塗りつぶしてしまうんですねえ。しかも、部分的にオリジナルの塗装を残したりするもんですから、なんだかデザイン上の統一感にも欠ける場合が多いのです。
乗りもの好きの中には、同じ形式の車両を一両ずつ写真に記録する人もいます。その場合、「オリジナル塗装」と「ラッピング」のどちらが好まれるのでしょう。ラッピングはあくまで広告。契約期間が切れれば別の広告に塗り替えられたり、オリジナル塗装に戻されたり。大げさに言うと一期一会の希少性があるといえばあるのですが…。
で、いま東京都交通局のサイトを見て「へえー」と思いました。このラッピング都電、1か月の広告料金は8万4000円ですって(製作費など別)。意外に安いのですねえ。「リアルタイム」もスタッフでカンパして(?)一両包んでみましょうか。
先日の#124で紹介したE127系の運転席まわりです。すっかりバスに近くなりました。運賃収納箱。その上には運賃表示器もあるんです。運転室(最後尾になるときには車掌室)は左側の半分のみ。ローカル線内ではワンマン運転をするので、この運賃箱に向かって開放的になっています。しかも客室との仕切り窓は低く、外まで良く見えます。
かつて。私が幼いころの電車はこんな感じではありませんでした。先頭の運転室の扉は閉ざされ、運転室との仕切りのガラス窓は高く、しかもだいたいカーテンがピシャッと閉ざされていました。涼風が抜ける夏の高原のコテージと、風雪をしのぐ真冬の山小屋、ぐらいの違いがあります。
しかしこの齢になると、なかなか先頭で運転士の後ろに陣取り、前方の眺望を楽しむなんてことはできません。一応、ひとの目ってものもありますので。今の子どもたちは幸せです。何の苦もなく前方が望めるなんて。ああ。
銀座から有楽町にかけての晴海通り地下には、延々と地下通路が延びています。華やぐ銀座の街を眺められないのですが、雨の日の移動にはたいへん便利です。その地下道のまんなかあたりに、この胸像があります。
早川徳次です。
鉄道史に名を残す早川は、ロンドンの地下鉄の利便性や先進性に着目、東京での地下鉄建設に着手します。当初はなかなか理解が得られなかったものの、81年前の1927年、上野と浅草の間に東洋では初めての地下鉄を開業させました。日本の地下鉄の「父」であります。
乗りものにはさまざまな「父」がいます。「飛行機の父」「自動車の父」「新幹線の父」…そのひとりに触れるなら、銀座へGO!…競争相手との争いに敗れ、晩年を失意のうちに過ごした早川は、いまも大都会の真ん中、その地下に静かにたたずんでいます。
特急「しらさぎ」
乗りものと縁の深い動物、と言いますと圧倒的に「鳥」のようです。このJR/国鉄の特急列車では、「しらさぎ」のほか「白鳥」「はくたか」「かもめ」…古くは「ひばり」「やまばと」なんていう列車もありました。いずれも地域の皆さんに親しの深い名称です。
ところでもう結構な年月が経ちますが、北陸本線には「雷鳥」という伝統ある特急のほかに「サンダーバード」なる特急も走っています。時刻表を見ると、簡単にいえば「雷鳥」の速いバージョンなんですね。しかしこの名称。「雷鳥」の直訳英語版といえましょう。
北陸地方を訪れた英語圏の観光客がこの2つの名称を知ったら、どういう心持ちになるんでしょうねえ?私がヨーロッパに旅行したとします。英仏海峡をくぐる国際列車「ユーロスター」の時刻表を見たら、「欧星(おうせい)」なる日本語を使った名称の特急もあって、しかもその「欧星」号が速いんだよおい!…という感じ、ですもん。
東京の冬空は、スカッと晴れた高い空になることが多いですね。そこにピーッと一本の線。
飛行機雲です。水蒸気によるわけですが、あれ、誰しも見つけると思わず眺めてしまうのではないでしょうか。
上空の気温や湿度、エンジンの排気の条件などが揃うと出来るので、それを利用した「空に字を書く」商売もアメリカなどではあるようです。横一列に何台も並んだ飛行機が、コンピュータでプログラムした通りにタイミング良く噴射して、文字を書いていく。それぞれの機体が出す雲は単体だけで見ると分かりません。しかしモールス信号のようにツー・トン、という塩梅で各機が出した雲を全体として見るとちゃんと文字になる、というワケです。
大きなイベントで使われるようですが、個人的なメッセージを依頼することもあるんでしょうかね。愛の告白とか感謝の表明とか。ブロック体のアルファベットだと表現しやすいんでしょうけど、もしこれが日本語だとたいへんですよ。「ありがとう」なんて曲線だらけですから。
正月も早や10日。多くの方はまるまる一週間の仕事を終える時期。年末からの疲れがそろそろ…という方、多いのでは。日テレ近くの大通りでは、大小2台の乗りものが休憩中、のように見えました。
昨今の情勢では、とくにタクシードライバーの労働環境は劣悪になっているようです。規制緩和による台数の増加。しかし乗客数は増えず。そして給与は歩合制。ゆえに少ない乗客を奪い合う。行き着くところ、勤務中の休憩時間を削って走るドライバーも少なくないと聞きます。乗車中にドライバーさんの話を聞くと、どこから手を付けるのかも難しい、きわめて構造的な問題になってしまったようです。しかしことは乗客の安全や他のクルマ、歩行者の安全にも直結します。東京のタクシーは先日値上げしたばかり。更なる乗客減少→また値上げ、という悪循環をくい止められるのでしょうか。
あすから暦は3連休。いよいよ寒さも増す時期です。互いにじっくりと英気を養いましょう。今回は珍しく、社会派な考察でした。
前回の続き。地元の駅でのこと。ホームに待つ電車はまだ新しいものでした。
しかし。どうも勝手が違うのです。そう。始発の電車が発車時刻を待っているのに、ドアが全部閉まってます。寒い地方の皆さまにはお馴染みの光景です。
かつては「半自動」といいまして、到着時にドアを開けるときにはいわばロックだけが解除される状態。「プシューッ」という音とともに3センチほどドアが開き、あとは乗客が自分でドアノブに手を掛け、グイッと開けたものです。閉めることも可能ですが、ロック解除、という状態なのでピタッと最後まで閉めることは出来ませんでした。そして出発時のドア閉めは車掌が行い、このときは自動でロックも含め完全に閉まります。乗り降りのないドアを大きく開けないことで、車内の暖気を外に逃さない工夫です。
ところが。
新しい電車は開けるのも閉めるのも、ボタン一つで乗客が行うようになりました。よって、乗るときには「開」ボタンで「プシューッ」。閉じるときにも「閉」ボタンで「プシューッ、ピタッ」。
これ、鉄道好きにはたまらないですね。なんせ車掌がやってた憧れの「ドア開閉」を自分でやるんですから(列車全部ではなく目の前のドアだけですが)。
念願のドア開閉動作。必要のない開け閉めを繰り返したくなる諸兄、どうぞ自制を。
新潟の実家に帰省してきました。新幹線に乗ったのですが、車内販売のワゴンを呼び止めると、 目の前にこんな光景が。
販売員の女性が押すカートの最上段。小ぶりな筒に入ったポテトチップスは、 輪ゴムでくくりつけられているのです。おお。生活の知恵。軽くて比較的頑丈な商品ゆえに出来ること。限られたカートの容量を上方に向けて拡大する裏ワザです。不用意に積み上げて転落してしまうと、中身のチップスも割れてしまいますもんね。
改めて上から下まで見てみると、この小さなカートはスキマ無く様々な商品が載せられています。その詰め方は実に見事。幕の内弁当と同様、「縮み志向」の日本文化はここにも見受けられます。「●△はまだありますか?」「はいお一つですね。(ガサゴソ・・・)」というやりとりのあと、カート深くから商品を掘り出してくる。詰まりに詰まったカートは長旅の心強い支えですね。
我らが日本テレビ報道局は、世にも稀なきわめてフランクな職場であります。もちろん上司は上司なんですが、「ちょっと歳の離れた話のわかる先輩」という感じを漂わせる人ばかり。報道担当の常務、そして報道局長のふたりはその最たる人物なのです。
その報道局長が、お年玉?を私に。何と!またも「中継車」です。このところ本欄でもご案内の通り、私の周りでは中継車がキテいます。そのラインアップに加わるのがこちら。
「ABSの中型中継車チョロQ」です。
ABSといいましても「アンチロック・ブレーキ・システム」の略ではありません。私たち日本テレビの者にとってはABSといえばいの一番、「秋田放送」のことです。念のため。白いボディの側面には、緑色を基調とした模様とABSのロゴが。以前秋田出張の際にお世話になりました。
…お正月、鋭気を養って新しい年もがんばります。今年もいつ全国どこに行くか分かりません。ネットワーク各社でどの程度、こういうオリジナルグッズを作っているのかは分かりませんが、今年はちょっと意識して、集めてみようかしらん。
現場を前に生中継…そのときには、すぐ横でこういう中継車とスタッフががんばっているのだと思って頂けると幸いです。