#128 「父」
銀座から有楽町にかけての晴海通り地下には、延々と地下通路が延びています。華やぐ銀座の街を眺められないのですが、雨の日の移動にはたいへん便利です。その地下道のまんなかあたりに、この胸像があります。
早川徳次です。
鉄道史に名を残す早川は、ロンドンの地下鉄の利便性や先進性に着目、東京での地下鉄建設に着手します。当初はなかなか理解が得られなかったものの、81年前の1927年、上野と浅草の間に東洋では初めての地下鉄を開業させました。日本の地下鉄の「父」であります。
乗りものにはさまざまな「父」がいます。「飛行機の父」「自動車の父」「新幹線の父」…そのひとりに触れるなら、銀座へGO!…競争相手との争いに敗れ、晩年を失意のうちに過ごした早川は、いまも大都会の真ん中、その地下に静かにたたずんでいます。