2008年10月アーカイブ
山梨県、中央本線の大月駅であります。秋の山梨。いいですよね。果物や山の幸はますます美味しい時期に入りました。
ホームの端に行ってみると、屋根も無く、秋の風がそよそよと気持ちよく吹いてきます…と。私の足元にはずいぶん年季の入ったデカい缶がどんと置かれていました。木製の柱の下に鎮座している赤錆びたその容器には「機関車用砂」と力強い手書きの文字が。
フタをしてあれば開けてみたくなるのが人情ですが、ここはぐっと堪えました。ご存知の通り、「滑り止め」の砂なんですね。これから挑む甲州路。標高はぐんぐんあがります。滑り止めは必須ですよ。機関車の台車をよく見ると、車輪の横あたりにたくさんの砂箱が取り付けられているのがわかります。…って鉄道好き以外の皆さんには「わかります」かどうかよくわかりかねますが。
インターネットで「滑り止め」「砂」を検索すると、予想通りの商品がずらりと登場します。受験用のお守りです。このページを見ていますぐ大月駅に向かおうとした皆さん!お守りはお金を払ってきちんと購入してくださいね。
先日、「クルマの売れ筋は小型化している」という分析結果を伺いに、「ガリバー自動車研究所」にお邪魔しました。ガリバーが持っている豊富な売買データ、ユーザーの意識調査をもとにした分析を聞き、ふむふむと納得したのでありました。
ガリバー本社にお邪魔した瞬間から目を見張ったのは、ロビースペースに置かれたさまざまな椅子。白く広いスペースに、高級インテリアショップさながらのデザインチェアがたくさん並んでいるのです。もちろん、展示ではなく実用に供されています。
取材を終えてロビーに戻り、「こんなロビー見たことありません」と呟くわたし。すると快活な広報担当者さんが「あの椅子、近野さんお乗りになりますか」と魅力的なささやき。指さした先にあったのが、本日の写真。クマのカタチをした椅子(?)であります。たしかに「座る」というよりは「乗る」のに相応しいかたちをしています。聞けば、けっこう多くの方が乗るそうです。
しかし私たちがお邪魔したのは夜も遅い時刻。ロビーを行き交う人は誰もいません。本当にけっこう多くの方がまたがるのでしょうか…。ひょっとして、お茶目な広報担当者さんが軽い気持ちで「乗ってみます?」と私をかついで、それを私が真に受けただけだとしたら…超・恥ずかしぃー!
長い鉄道橋というと、東北新幹線の第一北上川橋梁がその代表格。3800m以上もあります。東海道新幹線では富士川橋梁が。在来線では私の地元新潟にある、羽越本線の阿賀野川橋梁が長らく日本一長い鉄道橋の座にありました。
鉄道の世界では、よく注意してみると小さい橋にも名前が付いています。きょうの写真は東京・神田駅のホームで撮ったもの。線路を支える桁の隅に、しっかりとその名が。「神田大通り第一橋りょう」と書いてあります。「○△駅から何キロ何メートル地点」みたいなことも分かります。まあ通勤通学にこのホームを使う方々のうち、おそらく95%ぐらいは気にしたこともないでしょうし、知ったとしても「だから?」と思われそうですけど。乗りもの好きとしては「ほほー。こういう名前の橋の上を○▽線が走っているのね、と思うわけです。
こういう表示、塗装した年月日なんかも記載されています。土木マニアの皆さんもぜひご注意ください。
かつて、特急や急行の先頭部分には「ヘッドマーク」なるものがとりつけられていました。機関車が引っ張るタイプの列車の場合には機関車の前面と、列車の最後尾に丸くて重いものが。そして電車特急になってからも、平たく上下につぶしたような横長の五角形のものが。終着・始発駅ではその大きなプレートを取り外して、次の列車のものに取り換える作業もあったんですよね。
しかるに。21世紀の文明はこの古式ゆかしい儀式をどんどん廃してしまっています。電光式のLEDがその推進役。きょうの写真見てください。 特急の先頭部分。電光でもって文字を掲出しています。スイッチひとつで別の列車の愛称に切り替わり、「回送」だの「団体」だのといった文字も何の苦もなく出てくることでしょう。(実はよく見ると、手前の高崎線の電車も同様にLED表示されています)。
いやいやちょっと待て、という異論も承知しております。LEDに代わる前段階もあったではないかという異論ですよね。確かに、一枚一枚現物があって、手作業で取り付けたプレートタイプの次には、プラスチックのロールシートに何枚ものマークをプリントしておき、グルグルと回してその列車のものを掲出するタイプが出現しました。多くの列車は現在もこのタイプです。だいぶ効率化されましたが、それでも一応、手に触れることのできる「マークの現物」があったのです。
かつてのヘッドマークというのは、ほんとうにスペシャルなものでありました。ゆえに、鉄道趣味の店では高く売買されたり、好きが高じて車両基地から盗んでしまう不届き者まで現れるぐらいです。LEDのタイプは車両と一体になっていますから、盗まれる心配もありません。しかし、すべてはLEDによる光のドットゆえ、「現物」は無い。乗り物好きにはそこに何の情緒もロマンも感じないのです。この気持ち、わかりますかねえ…?
「リアルコンノ」の#276、#277にも書きましたとおり、先日越後湯沢でハーフマラソンを走りました。スタート&ゴールとなった陸上競技場への足がこれ。懐かしのボンネットバスです。 越後湯沢と競技場の間を数台のマイクロバスとこのボンネットバスでピストン輸送…。しかしランナーの数に比べバスが足りないようで、とくに朝の集合時には越後湯沢駅のロータリーをぐるりと取り囲むぐらいの長蛇の列ができ、私たち4人は待ち切れずにタクシーに乗り込んで現場へ向かったのでありました。
この愛らしいスタイルのボンネットバス。ネットで検索してみると、昭和34年生まれ、瀬戸内バスという会社で走っていたもののようです。現在は越後湯沢のある企業に「嫁入り」して現在に至ります。ほんと現役そのものというかんじの外装。まるっこいボディや窓枠が時代を感じさせます。外から覗き込むと、ハンドルの角度が乗用車並みに立っていて、妙な感じ。いま普通に目にするバスのハンドルは、だいたいろくろのように平たい感じで床から生えていますもんね。
今回は行き帰りともに乗車はかないませんでしたが、次回はシャトルバスの台数、周期をまず分析するところからはじめましょう。列の先頭、乗車するまでの人数を数えて後に並ぶ人に先を譲り、うまく乗り合わせてみたいものです。
前回書き忘れましたが、この「乗りもノート」の回数表記は、最初から3ケタにしてあります。開始時に「これはどれぐらい続けられるだろうか」と考えたとき、週2回の更新をがんばって、目標は1000回というところに落ち着きました。さすがに4ケタの9999回まではあり得ないか、ということで3ケタかなと。ですから、古いページをご覧頂くと分かるとおり、本来2ケタで済む回も「#075」みたいにゼロがついています。だいたい年間100回ですので、1000回まではあと8年。まだまだ続きますよ~。
ちなみにきょう10月14日は「鉄道記念日」として知られています。知られていますよね?大丈夫でしょうかね。明治5年に日本初の鉄道が走ったことを記念した日です。私は1972年生まれでして、明治5年は1872年ですから、私の生まれは「鉄道百周年」に当たります。つまり今年のきょうで日本の鉄道は136歳。もし136年「乗りもノート」が続きますと、その回数は概ね13600回!
ということで、今回は201回なのでJRの201系電車を掲載いたしました。前回「200」にちなむ写真を載せられなかった欲求不満を、一回遅れで解消。いつか「近鉄12000系」を12000回記念、で掲載する日は…
2年前の秋に始まりましたこの「乗りもノート」、本日目出度く200回を迎えました。平素のご愛読、誠にありがとうございます。
記念すべき200回にあたり、どんなネタを選ぼうかと私、考えました。模型店に行って「200」にちなむ形式の模型でも買ってこようかしらんと思い、銀座に出向きましたよ。念頭にあった東北・上越新幹線の200系は見あたらず…。これは断念。
そこへまったく異なるアプローチから魅力的な取材が。韓国で豪華な寝台列車がデビューしたというニュースにあわせ、日本の豪華特急「カシオペア」を見に行こうというわけで、きのう木曜日、上野駅に行って参りました。冒頭の私の写真、「V」でも「ピース」でもありません。「200」の「2」です。しかし我ながらじつにはじけた笑顔ですね。ハイな気分が顔面に凝縮されています。恥ずかしい…。
当コラムの200回記念にふさわしい同乗取材、スイート客室で過ごす17時間の旅…夢は膨らんだのですが、予算も時間もありません。「カシオペア」とはホームにてわずか20分ほどの逢瀬でありました。降りてきた乗客に話を聞くと皆さん揃って大満足のようす。うらやましさとうらめしさを胸に、次は300回を目指して出発進行!
ナビゲーションシステムといえば、昨今の新車では軽自動車やコンパクトカーでも最初から標準装備される例も増えています。しかし、時代はもはや「ナビ=自動車」という図式から次の段階に進んでいるのですよ。
報道フロアの大先輩が、このたび日テレの通販サイト「ポシュレ」で購入したものが本日の写真。ポータブルのナビです。大きさはポケットに入るサイズ。文庫本の半分ぐらいです。このサイズにGPSアンテナやら何やらをオールインワン。
車で使用するときはシガーライターの電源を、室内ではAC電源にて使用。「ポータブル」ということは当然なのですが、内蔵充電池でも使用できるそうで。電車を使って多数の営業先を回る際、駅から先方へのルートを検索して使うビジネスマン、増えているそうですよ。
…で、我らの先輩はというと「自転車」での使用がメインなんですって。なるほどどこにでも自転車で出かけるほどの先輩ですから、これは便利なんでしょうね。ワンセグチューナーも内蔵ですゆえ、着いた先ではテレビも見られる。例えば自転車を使ったキャンプ旅行には百人力の新兵器。私は子供の頃、自転車でずいぶんと遠くまで(やみくもに)ぐるぐる走り回ったクチですが、あの頃これがあったらなあ…。
冷凍させただけでこれだけ価値の上がるもの、他に思いつくでしょうか?「冷凍みかん」。確かにスーパーの冷凍食品コーナーに行くと、最近は「冷凍ラズベリー」とか「冷凍いちご」「冷凍マンゴー」などがカチカチ状態で並んでいます。
しかし冷凍みかんの特徴のひとつは、冷凍前後における有り難みの急騰、ではないでしょうか。マンゴーやラズベリーなどは最初から「よそゆき感」「セレブ感」のある果物ですもん。普通のみかんはひと箱いくらで買ってきて、台所の隅やひんやりした納戸あたりにどーんと置いておく。もちろん高級品もあるのでしょうが、きわめて庶民的な果物ですよね。
ところが。旅先の売店の冷凍庫で冷凍みかんをみかけたとき、胸のときめきは大きくなります。ボックスシートに座って小さなテーブルの上で皮を剥き、シャリッとした味わいを楽しむ…。味だけではない魅力をその袋の中に秘めているから、胸が高鳴るのでしょうね。言葉にすると「旅情」。旅情のぶんだけ冷凍みかんの有り難みは上乗せされているのです。その証拠に、通販で買って家で食べても、なんだか物足りない気がするのです。乗りもの好きの私としては。
しかしかつての冷凍みかんは確か5個で250円だったような。あるいは5個200円という時代もあったような。今回食べたものは4個で400円でして、ああ昭和は遠くになりにけり、という感は強まるばかりであります。