2010年2月アーカイブ

#342「モト」

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 ホンダの新しいハイブリッドカー、「CR-Z」が発表されました。ハイブリッドシステムを盛り込んだ、初めてのスポーツカーというのがその触れ込み。マニュアル6速のトランスミッションもラインアップというあたりに、意気込みが感じられますね。

ホンダの新しいハイブリッドカーCR-Z

 ところでこの車、その名前からも分かるように、80年代に一世を風靡したライトウエイトスポーツの「CR-X」の現代版、という位置づけなんでしょうね。ハイブリッドという新しいパワートレインを使って、かつてのヒット作をリ・デビューさせるというのは、ホンダファンには特にぐっとくるコトでしょう。

 ホンダは「昔の名前」を効果的に復活させるのが巧み。モトネタをリファインして最新で、という例をいくつも成功させています。この車の他にも「ステップワゴン」「ストリーム」「ライフ」などなど。

 そこで思いだしたのが、ホンダのハイブリッドの元祖「インサイト」。去年発売されたものと初代インサイトは全然ボディ形式もデザインコンセプトも違います。現行インサイトのデザイン、よく「プリウスに似ている」と言われますが、その「モト」はというと、最初に触れた「CR-X」に求められるのでは、と思うんです。4ドアと2ドアの違いは有りますが、特に2代目のリアビューは現行インサイトに大きなヒントを与えたのでは。もっとホンダはそのことを主張していいんじゃないかと思うんですが。画像検索して確認してみてください。


#341「ぞろ」

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平成22年2月2日に発売された東急電鉄の記念入場券

 きのう月曜日は「22.2.22」と、2が5つキレイに並ぶ日でありました。そこで、こんな記念切符も発売されました。東急電鉄が売り出した主要駅の入場券セットには、徹夜組も出るほど。

 鉄道業界が日付を活用することでは他の業界に先んじているのは、切符に日付が刻印されるからに他なりません。平成11年11月11日の切符なんてのは当然として、私の幼少のみぎりには「56.7.8」という切符も発売されたこと、記憶しています。


平成22年2月2日に発売された東急電鉄の記念入場券

 同じ数字が並ぶことを「ぞろ目」といいますが、これ、さいころを投げたときに「目が揃う」から「そろ目→ぞろ目」なんですね。あんまり考えたこと有りませんでした。

 この入場券セット、キレイに2の数字が並んでいるだけでなく、東急を代表する各形式がずらっとカラーで登場。華々しい観光特急などが走っていない私鉄ですが、こうしてみるとそれはそれで、日常の魅力がまさに「揃い踏み」というわけですねえ。次は「23.4.5」でしょうかね。

平成22年2月2日に発売された東急電鉄の記念入場券

#340「動物」

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動物園前駅のホームのシカの親子の絵

 鼻を寄せ合う鹿の親子。いいですね。なかなかあたたかいタッチの絵。描かれる地、いわばキャンバスとなっている白いタイルは、何もなければかなり殺風景ですが、こういう彩が加わると、俄然変わってくるものです。

 ここは大阪市営地下鉄の「動物園前」駅。こっちには象がパオーンと鼻を鳴らしている感じ。この駅の地上は、大阪屈指のディープゾーン。なかなか濃厚な空気にあふれている地域ですが、そのあたりにもこの象さんの声は響いているのでしょうかね。

動物園前駅のホームのゾウの絵

 ...と、視線をあっちのホームに向けるとそこにはキリンさんも。構内の柱の陰になっているので、なんだか急に奥行きがでて、ホントにそこにいるような気分になってきます。首が長いからなあ...僕らからは見えないだけで、実はあのキリンのいる場所、地上まで天井がぶち抜かれていたりして。

動物園前駅のホームのキリンの絵

#339「検査」

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新幹線靴下.jpg新幹線の新大阪駅で見つけた靴下。いろいろありますねえ。歴代新幹線を網羅しているのでしょうか。パッと見て目立つのはN700系。さすが最新の車両だけあります。これ、子供向けでして、鉄道好きのお子さんにはグっとくること間違いないでしょう。この靴下を履けば、新幹線にあやかって足も速くなりそう...。んなワケないか?

で、この靴下の山をほじくり返すと、出ました!ドクターイエローです。走りながらレールや架線の状態を調べるすぐれもの。一般の客扱いをする車両と違って、鮮やかな黄色がベースになっています。こりゃひときわ目立ちますね。色が色だけに、洋服や靴とコーディネートするにもなかなかのワザを必要としそうです。

 N700系なら足が速くなるとして、こっちは...ファッションセンスのチェック役にもなるのでしょうか。検査用の車両だけに。

ドクターイエローの靴下.jpg


#338「美顔」

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JR東日本の257系500番代の先頭車両

 JR東日本の257系500番代、その先頭車両です。鉄道車両の先頭部はまさに「顔」と言える存在です。基本的には線路にそって長ーいフォルムの鉄道車両。いちばん端だけが異彩を放っているわけですね。当然、デザインは流麗でスピード感あふれる美顔が一般的です。

 ところがどうでしょう。この先頭デザイン。ちょっと無骨で微妙...という感が私には否めません。ブヒッとド真ん中に飛び出した通路用の幌や、海外のローカル線でみられる「動物よけ」を彷彿させる黄色い縁取り...。昭和の人間にとっては、どうも「まさに特急」という感じがしないんですが。

 しかし同行した女性ディレクター2人は、ホームでこれを見るなり「かわいい!」と言うんですから不思議です。こういう感覚のズレ、性差なのか、年齢差なのか、鉄道好きか否かの違いなのか...。これはまさに、見る者の感覚を試す高度なデザインなのかもしれません。皆さまいかがでしょう?

 あ、車内は新しいだけあって、ものすんごく快適です。「まさに特急」。念のため。


#337「良縁」

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銚子シリーズの第2回。今回はちゃんと「動いている電車」です。この日、JRの銚子駅ホームからスイカの改札を抜けて、端に歩いて行くと、われわれを出迎えたのは青い電車。デハ1001です。地下鉄の銀座線から転籍してきた古豪です。こげ茶に赤の伝統的な銚子電鉄カラーじゃないのでちょっと拍子抜けしましたが、元銀座線が地上に上がり、関東平野を東進してこの地にやってきたと思うと、感慨深いものがありますね。

銚子シリーズデハ1001.jpg

銚子シリーズラッピング車両.jpgで、車体を見回しても、中に乗り込んでも、ゲームソフト「桃太郎電鉄」の発売20年を記念したラッピング車両なんであります。しかもいまネットで検索したら、塗りなおした当時はホントつやつやピカピカだったのに、今やすでに黒ずんでいます。こういう場合、は「劣化」ではなく、「渋み」というべきでしょう。

 この日私たちは、銚子電鉄を乗ったり降りたり。都合4回乗車したのですが、その都度すべてホームにやってくるのはこの1001でした。なんで?...でも銀座線から嫁いで銚子の地に馴染み活躍しているように、私たちと1001にも良縁があったということで。記憶に残る乗車になったわけであります。

銚子シリーズデハ1001その2.jpg


#336「廃電」

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 報道を通じて親しくなった鉄道好きの大先輩、そして「リアルタイム」のスタッフと一緒に、銚子電鉄に乗りに行きました。そう。傾きかけたところを起死回生の「ぬれせんべい」で頑張っている銚子電鉄です。

銚子電鉄の廃車車両をカフェとして利用

 その犬吠駅に鎮座しているのが、こちらの電車。近所の人の話では、カフェとして使っているそうなんですが、この日はお休み?でした。ホーム風のデッキに横付けされた電車はまだそこそこいい状態。廃車としてはまずまずの色つやでした。

 こういう廃電、各地にあるものですが、ときに朽ちるがままになっていることもあります。こうしてそれなりに維持されているのは、電車としては本望でしょう。幸せな部類であります。願わくば、我々もリタイヤしたあとこんな感じで労ってもらえるとよいのですが。...それよりまず、勤めを全うすることを考えましょう。はい。

 この場所は海に近いがゆえ、潮風に傷みを増すことがあります。ぜひともこのコンディションを保ってほしいものですね。


#335「死角」

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とある駐車場で見かけたマイクロバスです。…といってもこの写真じゃ全体が見えないですが、マイクロバスです。

マイクロバス.jpg

今回はバスが主題、ではなく、運転者の意識が主題であります。この車体、よく見ますとタイヤの前部分、ボディにギーッとこすりキズが派手に走っていますね。おそらく不覚にもこすっちゃったのでしょう。バスはボディが四角いですから、本来は車両感覚を掴む手がかりが多いハズなんですが…。しかしやっぱり左後方となると、視認しづらい。こういうことが起きるのですね。

子どものころ、実家近くの商店街の交差点に、標識のようなかなりしっかりした看板がありました。「大型車 巻き込み注意!」と。聞けばどうやらそこでは、過去に大型トラックによる左折時の巻き込み死亡事故があった、とのこと。子ども心にも怖くて印象に残る看板でした。実際自分の身の丈も小さくて、大型車に巻き込まれる、という想像は今以上の恐ろしさでした。

死角と不覚が重なると、一気に事故の確率は高まります。大きなこすりキズを見て、車に乗ることの怖さ、を思い出しました。お互い気をつけましょう。


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プロフィール

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近野 宏明
(こんの ひろあき)

現在、ワシントン特派員。鉄道、自動車、航空機などの乗りもの・交通全般に詳しい。

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