#338「美顔」
JR東日本の257系500番代、その先頭車両です。鉄道車両の先頭部はまさに「顔」と言える存在です。基本的には線路にそって長ーいフォルムの鉄道車両。いちばん端だけが異彩を放っているわけですね。当然、デザインは流麗でスピード感あふれる美顔が一般的です。
ところがどうでしょう。この先頭デザイン。ちょっと無骨で微妙...という感が私には否めません。ブヒッとド真ん中に飛び出した通路用の幌や、海外のローカル線でみられる「動物よけ」を彷彿させる黄色い縁取り...。昭和の人間にとっては、どうも「まさに特急」という感じがしないんですが。
しかし同行した女性ディレクター2人は、ホームでこれを見るなり「かわいい!」と言うんですから不思議です。こういう感覚のズレ、性差なのか、年齢差なのか、鉄道好きか否かの違いなのか...。これはまさに、見る者の感覚を試す高度なデザインなのかもしれません。皆さまいかがでしょう?
あ、車内は新しいだけあって、ものすんごく快適です。「まさに特急」。念のため。