2007年8月アーカイブ
日本テレビのある汐留から銀座に向かって歩くと、銀座の入り口で最初に見かけるのがこうした光景です。中国・台湾・韓国あたりからやってくる観光客を乗せたツアーバス。本当に毎日のように首都高速道路の下あたりに止まっています。多くのお客さんがここを起点に、銀座の目抜き通りへ向かって歩き、そして買い物袋を下げて戻ってきます。
ここで見かけるバスはどうもそうした観光客を専門にしているらしく、車体には漢字ばっかりだったり、ハングルばっかりだったりというロゴが目立ちます。そして。「一線を退いたちょっと旧い形のバス」の割合が少々高い。恐らく大手バス会社から転籍した中古のバスなのかな。「第二の人生」っていう風情が好ましいですね。そう…世界を駆けめぐったビジネスマンが、早期退職して今度は海外からの留学生受け入れに力を尽くす…、そんなイメージすら沸いてきます(大げさか)。
いずれにしても、個別の自由行動日以外はあのバスで移動するツアー。観光客の皆さんにとっては日本での楽しい思い出に直結する大事な乗りものです。きょうも安全運転で快適な旅が提供されることを祈るばかりです。
以前、鉄道好きで知られるタモリさんの番組で「電チラ」なるものを取り上げていました。「電車がチラッと見えるスポット」の映像を見て、出演者が異常な盛り上がりを見せていました。トンネルとトンネルのわずかなスキマ、建物のスキマの向こうにサーッと走り行く電車を「うわーっ」「あれは◎△系ですね」とか言いながら眺めるわけで…なんともバカバカしくもすごい番組でした(←伝わりにくいかもしれませんが褒めてます)。
たしかに、あえて「チラッ」と見るほうがフルショットで見るよりも目を凝らし、判別できたときのリアクションも大きいわけです。その結果、マニアの心理を目に見える行動に転化しやすいのかもしれません。チラッとしか見えないからこそ、テレビで見ているほうも「どれどれ…?」「来るぞ来るぞ…」という注目度が高まり、チャンネルも変えがたい。テレビ番組としても成功しているのでは?と分析しております。他局の番組でしたが。
きょうの写真はまさに「電チラ」。障子の先に見えるのは京浜東北線の電車です。電車の手前に看板らしきものがあるところからして、どうも駅のよう。果たしてどこでしょう?
以前、番組のHPで掲載している「リアルコンノ」でも書きましたが、サイズの感覚というのは意外にばらつきがあるものです。ジャンボジェット(ボーイング747)の長さを「200m」「300m」と答えた人が結構いたのですから(実際はおよそ70m)。何かと比較せず、単体として思い描くと、往々にしてサイズの感覚は外れるものです。
で、今回掲載したのは
ANAの機内誌
(『翼の王国』6月号)。
以前から巻末のページで、使用機材の写真とサイズや性能が紹介されてきました。このページ、新しい機材の導入や、古い機材の引退ごとに更新されますが、
数か月前に重大な追記がなされていました。
それが、このページの一番右下。
「ジンベエザメ」です。
さりげなく記載されていますが、シャレっ気が効いています。「*機体サイズの比較として掲載しています。」という但し書きも。まさに読者のサイズ感覚を呼び覚ますため、比較対象としてサメに登場願ったということ。警察が押収した物品を撮影するとき、横に置かれるタバコの箱みたいなものでしょう。
でも。よーく読むと「体長5-14m程・体重7-10t」って、かなり幅のある数字ですよね。そう、つまり「ジンベエザメ」のサイズ自体が、これまた確固としたイメージの域を超えているような…。ジンベエザメの本物、皆さん見たことありますか? あ、もしかして今後はジンベエザメじゃない何かが交代で登場するとか、さらに下に別のものが追記されるとか…??
で、ANA本社に問い合わせたところ、新たな情報が。「8月号は変わってブラキオザウルスですよ」。えーっ!? さすが夏休み。ちびっ子向けかな??
街でよく見かける二文字。「空車」です。休みはほとんど車で動く私の目には、いくつこの文字が飛び込んでくることでしょう。目的地に着いて、さて車を停めなくては…というとき。頭の中はこの二文字に占拠されます。待ち合わせ時刻まであと少し…なんてときには、この駐車場の「空車」を見つけるとほっとしますよね。
そしてもうひとつの
「空車」。タクシーの表示です。辞書をひいてみると、「空車」の意味として最初に書いてあるのはこちらのほう。人や荷物をのせる営業車が、なにものせていない状態を指します。仕事柄、タクシーに乗る機会も少なくないのですが、都心ではこのところ供給過剰気味のようで、深夜にはずらりとこの2文字が路肩を彩ります。
で、かねてからの疑問①。駐車場のほうの「空車」って、なんとなくヘンな日本語、という気もします。車が空いているわけではありません。空いているのは場所です。となると「空場」とでも言うのが適切なのでは…。
疑問②。おなじ「空車」という2文字なのに、なぜ「駐車場のほうは青い文字、タクシーの方は赤い文字」なんでしょう?これは謎だ。「目立つ!」という意味ではタクシーの「赤い空車」が理に適っています。しかし「あなたダメですよ(停められませんよ、乗れませんよ)」という意味を持つのも赤。と考えると駐車場の「青い空車」のほうが正しい気も…。そのことに気付いてから、私のアタマはこの2文字に惑ってしまうのであります。
新しいスタイリッシュな
路線バス。
その屋根には薄っぺらい
箱が乗っています。
エアコンです。
私たちが子どもの頃、バスにクーラーなんぞ付いてはいませんでした。上と下、双方から開く窓を全開にして、スピードに任せて吹き抜ける風だけで涼を感じていたものです。
そしてドライバーはというと。右横の窓を開けるのはもちろんですが、ハンドルの付け根あたりに、バコッと外向きにひさしのように開く扉(教科書ぐらいのサイズでしたか)がありました。そこからまさにダイレクト。真っ正面からの風を足元に流し込んでいました。ハタから見ていると、靴を脱いで、あの扉のふちに足を載っけて走ったら、スースーして気持ちいいだろうなと、子どもながらに思ったものです。
ま、そういう旧景はめっきり見られなくなりましたね。この時期、東京のバスはばっちり冷房が効いています。お陰で、「遅刻寸前、駅まで走らなきゃ!」というとき折良くバスが来ると、乗った瞬間の涼しさにトクした気分が倍増です。あと贅沢を言うとすれば、「さじ加減」でしょうかね。私は不満を覚えたことはあまりありませんが、冷え性の方にとってバスの冷房は「部屋がひとつ」だけに逃げ場がありません。「弱冷房席」みたいな芸当は構造上、無理です。まだまだ暑さは続きそう。冷房が苦手な方には外でも中でも、辛抱の季節でもあるのですね。
乗りものの世界、昨今は「独り立ち」が難しい状況です。何のことか。経営です。自動車メーカーも国境を越えてグループを作り、エンジンなどの共用化をはかりつつ、国ごと、ブランドごとに造り分けています。
航空会社も同様。コスト削減、顧客の囲い込みをはかってグループを形成しています。
空港で撮った写真は全日空の機体。「スターアライアンス」の塗装が施されています。加盟各社が必ずこの塗装の機体を持つことになっているようです。目に見えるかたちでグループの「結束」を確認しているのでしょう。いつものANAカラーリングとはだいぶ趣が違いますから、「自分が乗るのはこれで良いのかな」とちょっと戸惑う乗客も居るかもしれませんね。
いっぽう私の手の中に収まっているのはルフトハンザ・ドイツ航空のエアバスA340-600です。
こちらも「スターアライアンス」塗装。日本テレビの田中毅アナウンサーが、ドイツのワールドカップを取材した際のお土産です。先輩の「乗りものゴコロ」をよくわかってる。いい後輩です。(そうじゃなくても優秀ないいヤツなんですよ、念のため)。
普段は自宅の「ミニカー陳列棚」の上に乗っかってます。すでにリアルタイムを離れて久しい毅君ですが、この機体を見るたびに、ファミリーとしての「結束」をちょっと感じる私です。
沖縄のモノレール
「ゆいれーる」です。
4年前のきょう(8月10日)、那覇空港-首里の全線が開業しました。たった2両編成、定員165人の小さな列車ですが、沖縄という地に大きなインパクトを与えたことはよく知られています。
沖縄本島では、戦争が終わってから長らく鉄道が存在しませんでした。交通といえば専ら自動車によるものだったのです。公共交通機関はバスとタクシー。
私が沖縄を最初に訪れたのは1995年ですが、「鉄道がないのは当たり前」でした。もっとも、取材は車による移動が普通ですので、鉄道が無いことにそれほどの不便は感じませんでしたが。でもバスは「いつ来るかあてにならない」ですし、タクシーは「料金が高い」という問題を抱えています。モノレールは、その2点を解決する手段として開業したわけです。
もうひとつ。これは地元では半分笑い話として耳にする事が多いのですが、「沖縄の時間感覚を変えるかも」という点。「ウチナータイム(沖縄時間)」という言葉があるほど、定刻をきっかり守れなくても寛容、という土地柄です(のんびりしていて好ましいですが)。でも列車の運行はそうはいきません。鉄道と定時性というのは切っても切れないもの。モノレールの開業で、「ウチナータイム」が改められるのでは?という見方もありましたが、4年を経て、実際のところはどうなんでしょう?
沖縄のだいたいの幹線道路は知っているので、レンタカーで動いても痛痒のない私ですが、街を縫いながら空から見下ろす感覚はモノレールならでは。夏休み、沖縄のリゾートに出かける方、那覇市内だけはモノレールに乗って欲しいところです。
夏。そして鉄道。といえば。ファンが多い催しが行われます。「スタンプラリー」です。本欄に何度も登場している、私の先輩の令息。齢3つにして鉄の道をまっしぐら。先日JR東日本のスタンプラリーを楽しんできたそうです。ラッシュアワーを外した時間帯(9時半-16時)に、6つの駅でスタンプを集めて決められたゴール駅に行くと、景品がもらえるというしくみです。
首都圏95の駅に、95種のポケモンスタンプを設置しているそうですが、いずれもスタンプは改札の外にあります。当たり前ですが、スタンプを集めに乗ったり降りたり、その都度料金を払うわけですね(一日乗車券というワザもあり)。細かいけれども着実に料金収入が上がる、商いの基本型です。先輩の報告によるとそのスタンプ台では…「スタンプを押す行列が!そしてそのスタンプの行列には、おそらく家族に頼まれたであろう、ビジネスマンや、孫かわいさの祖父母の姿!(もちろん子供の姿は無し!)」…だそうです。ビックリ。
ちびっ子たちはどうかというと、「電車にたくさん乗ったり降りたりできて、しかもスタンプ台を探すのは宝探し感覚!そしてポケモンスタンプを押して集める達成感!6つ押すとこれまたポケモングッズがもらえて最高!」ということで。よかった。まあ結局子どもと一緒に巡るうちに、パパも楽しくなってきたようで。そんな気持ちが滲み出ていますよね。
かくして手にしたグッズには、「新たなスタンプ帳」も含まれるそうです。先輩の分析では、今度は95種のスタンプを全部集めようね!というわけで。商魂たくましいJR。多くの親子連れが、きょうも乗ったり降りたりしているんでしょうね。スタンプラリーの夏はまだまだ続きます。
先回に続いて、みちのくでリアルタイムのスタッフが見てきた、日本の原風景。今回は「山」です。青森・秋田を巡った取材チーム、秋田では「秋田内陸縦貫鉄道」にも乗りました。時刻表や地図をお持ちの方!路線図見てください。文字通り、秋田県の内陸を縦貫しています。
国鉄時代は「角館線」「阿仁合線」という2つの路線が南と北から延びていたのですが、途中がつながっていなかったのです。全線が開通したのは平成に入ってからですから、そう古い話ではありません。
各駅停車、片道2時間半の道のりは自然の美しさに溢れています。会社のHPを見ますと、四季折々の沿線風景が掲載されていました。「山」の懐の深さが分かろうというものです。今回掲載した写真は、秋田内陸縦貫鉄道の車両と、白神山地からの日の出。
稜線のむこうから照らし出す日射し。まるで絵画のような実景です。行ってみたい…。