#084「空車」
街でよく見かける二文字。「空車」です。休みはほとんど車で動く私の目には、いくつこの文字が飛び込んでくることでしょう。目的地に着いて、さて車を停めなくては…というとき。頭の中はこの二文字に占拠されます。待ち合わせ時刻まであと少し…なんてときには、この駐車場の「空車」を見つけるとほっとしますよね。
そしてもうひとつの
「空車」。タクシーの表示です。辞書をひいてみると、「空車」の意味として最初に書いてあるのはこちらのほう。人や荷物をのせる営業車が、なにものせていない状態を指します。仕事柄、タクシーに乗る機会も少なくないのですが、都心ではこのところ供給過剰気味のようで、深夜にはずらりとこの2文字が路肩を彩ります。
で、かねてからの疑問①。駐車場のほうの「空車」って、なんとなくヘンな日本語、という気もします。車が空いているわけではありません。空いているのは場所です。となると「空場」とでも言うのが適切なのでは…。
疑問②。おなじ「空車」という2文字なのに、なぜ「駐車場のほうは青い文字、タクシーの方は赤い文字」なんでしょう?これは謎だ。「目立つ!」という意味ではタクシーの「赤い空車」が理に適っています。しかし「あなたダメですよ(停められませんよ、乗れませんよ)」という意味を持つのも赤。と考えると駐車場の「青い空車」のほうが正しい気も…。そのことに気付いてから、私のアタマはこの2文字に惑ってしまうのであります。