2009年12月アーカイブ
年末です。きのう28日は一般には「御用納め」。2009年も残すところわずかとなりました。ことしの漢字は「新」でしたが、果たして皆様にとって「新しい」ことがどう作用したでしょうか。ともあれ歳月は写真の電車のように、暮れに向かって疾走しております。
暮れ、といえばこの年末は2009年の年末であると同時に、「00年代」の終わりでもあります。21世紀最初の10年。乗りもの界にもいろんなことがありました。
飛行機はテロ対策や荷物の持ち込み制限が年々強化。巨大なA380がデビューした一方、B787の納入は結局まだ。自動車はメーカーの合従連衡、エコシフトが急速に進みました。日本では「車離れ」も。鉄道は昭和の香りがどんどん消えていきましたね。今後はエコを追い風にできるかどうか。船舶の世界は…もうちょっと勉強します。
「移動の自由」は近代国家の基本的な要件のひとつ。その手段となる乗りものは来る2010年代をどう迎えるのか。地球環境問題をクリアしつつどう進化を遂げるのか。今から楽しみです。それでは皆様、よいお年を!
「上から目線」という言葉が浸透し始めたのはいつ頃だったでしょうか。日本語を扱う仕事に従事している私としては、「目線」じゃなくて「視線」だろ、とツッコミたくなるのですが。いつのまにか人口に膾炙、ということになっていました。
電車というものはサイズが大きいので、普通に走っていれば周囲の路上に居る人を見下ろす形となります。ましてや、一部の2階建て車両から外を眺めるとき、目線の高さたるや相当なもの。周囲を見下ろしながら、遠方を見やりながら、目的地に行けるわけです。ゆえに追加料金を必要とする「グリーン車」に当てられるのも納得でしょう。
ところが時に、こうして2階建てのグリーン車を見下ろす場所も有るわけで。こんな谷間のような場所に停まって、まさか上から見下ろされているとは思わぬことでしょう。ふっふっふ。日射しをたっぷり受けるべく、上部に湾曲したガラスも、かえってあだになっています。…はい。たまに上から眺めて、ちょっといい気分になっている私。人間が小さいですね。来年は改まるでしょうか…。
会社の先輩から、「知ってる?」と尋ねられた企画展。「出発進行!『のりもの』本めぐりへ」という展示を、いま上野の国立国会図書館国際こども図書館でやっています。不覚にもこの企画展を知らなかった私。「乗りもノート」の執筆者として行かないワケにいかないのは言うまでもありません。早速週末に足を運んできました。
師走の上野公園は広々とした園内に冷たい風が吹き抜けます。寒い!しかし到着したその図書館は、なんとも重厚な建物。そう、この建物自体にも私はもともと興味があったのでした。
企画展は、「のりもの」に因んだ子ども向けの本が、「自動車」「船」「飛行機」のように分類されてこぢんまりと並んでいました。展示室では実際に手に取って見られないのですが、多くの本が閲覧室で読めます。あっという間に童心に帰ること請け合い。2月7日まで開催ですので、ご興味のある方はぜひ!
今回も、クリスマス直前企画。プチプレゼントに好適なアイテムをご紹介しましょう。トミカであります。トミカは一般的な玩具店で買える定番シリーズの他に、「特注」というかたちでさまざまな商品が世に出回っています。
自動車メーカーが自社の関連施設などで売ったものや、企業が自社のロゴをいれたものなど、さまざまなバリエーションがあり、その種類は数え切れないほど。中でもやはり多いのが、運送会社やバス会社がトラック・バスに自社の塗装を施したものでしょう。
写真もそんな一台。別府大分合同タクシーのオリジナルです。これは…確か大分に出張した上司がお土産に買ってきてくれた記憶が…。どういう料簡の部下なんでしょうね、私は。ま、入手の経緯はともかく。黒いセドリックに屋根上の行灯、車体には会社のロゴが入っています。カラフルなカラーの多いタクシーですが黒一色というところが渋いですよね。
ミニカーを集めている子は沢山いると思います。クリスマスのプレゼントにこういう特注ものを贈ると、「お、分かってるなぁ」と子どもに思われること請け合いです。
写真を撮るのにちょっと難儀しました。今回紹介するのは当コラムでの被写体で最も小さい部類に入るでしょう。ピンバッジです。
先日お目にかかったお客さまから頂戴しました。聞けば、所用で出かけた金沢で買ってこられたというんです。よく見てください。ひとつは「金沢」の駅名板。左側に「東金沢」が、右側に「西金沢」が書かれているということは、上り下りどちらのホームのものか、想像できますね?大丈夫ですね?
そしてもう一つ。特急「雷鳥」が描かれています。昔ながらの国鉄特急の塗色で描かれているのが泣かせます。線路のあたりが白く塗られているので、冬のシーンなんですねえ。。北陸路は冬に限る、と静かに主張しているようにも見受けられます。実際、このお土産をわざわざ私のために買ってきてくださったお客さま、金沢では美味しい蟹を食べてきたそうで。冬の寒さゆえの恵み、ですもんねえ。
折しもクリスマスシーズン。次回もプチプレゼント向きのアイテムをご紹介しましょう。
電車が何かを背負っています。お箸です。電車のお顔を見ると…昭和という感じがしますね。おでこに一つ円いライト、貫通扉のない平面的な正面。これは103系あたりでしょうか。左側は黄色い車体ですから、かつての総武線、という雰囲気を醸し出しています。
当コラムに何度か登場の鉄道模型バー、「銀座パノラマ」で見つけた箸置き。背負っているお箸も、よくみると電車の側面を再現したような絵柄がプリントされています。電車をかたどった「鉛筆」はよく目にしますが、お箸というのはなかなか無いですね。
この箸置き、面白いなあと思うのは、電車が自分の上に「乗っけている」こと。ホンモノの電車の場合、普段は自分の下のレールにどっしりと乗っかっている。そのレールの下には文字通りの「枕木」があるのですが、写真の箸置きは、箸置きという用途を与えられた時点で、まくらのように「乗っける側」になることを宿命づけられたわけであります。そういう倒錯もなかなか興味深い、味の有る逸品です。
とあるスーパーでのこと。車を停めて店に入ろうとすると、そこに大胆な一台が。この写真、見てください。
駐車枠から半分以上、というか殆ど全部はみ出す形で前方に出っ張っています。ご覧のとおり車種は日産マーチですから、コンパクトなサイズゆえ駐車もそんなに面倒は無いハズなんですけどねえ。トランク部分がセダンのように飛び出しているわけではないスタイルですから、後ろの木にぶつける心配もまず無いのであります。よほど慎重なドライバーなのでしょうか。
しかるにこの停めかた。実に大胆です。だってこの車のボンネットの前、本来の通路はかなりきわどい狭さになっているのですから。後方には慎重で、いっぽう前方には大胆なこの駐車。運転は人物を象徴するところがありますから、どんな人が運転しているのか興味津々だったのですが…。買い物を終えて外に出ると、もういなくなっていました。残念。
トミカで作った大きな街。びゅんびゅんクルマが走り回っていますね。カラフルで清潔で、子供心に返ってしまいます。幼いころはこういう展示が、ちょっと大きなオモチャ屋さんのショウウィンドーにはあったものです。ガラスにへばりついて、行き交う(と言っても実際には動いていないのですが)ミニカーに夢を膨らませましたねえ。
おもちゃの世界では昔も今も、その華やぎは変わりません。しかし実際のクルマ社会は大きな曲がり角を迎えました。とくにことしは流行語大賞の横綱が「エコカー」ですから。地球環境の保全という大命題の前に、クルマはすっかり悪者のイメージになってしまいました。それと並行して、クルマに夢を仮託する子供や若者の数も減っているのでしょう。いわゆる「クルマ離れ」というやつです。
実車の売り上げが減る中、おもちゃの売り上げはどう推移しているのでしょうかね。乗りもののもつ本質的な魅力というものをどうアピールするか。当サイトもその一助となるべくがんばってまいります。
肩が凝っています。「凝る」なんてもんじゃありません。首が左によく回りません。痛くて。寝ていても同様。ふと目が覚めて、時計を見ようと枕元の携帯電話を手にしようと体をねじったら、肩が、痛い…。で、そんなとき人は(って私ですが)首をぐりぐりと回します。コキコキ。たまには首の筋が音を立てますよね。コキ。コキ。
コキと言えば、写真はコンテナ車。正確な形式名はチェックしそびれましたが、「コキ△○形」という名前であることは間違いありません。貨車の場合「コ」はコンテナ用、という意味。「キ」は25トン以上の積み荷を載せられる、という意味です。
年末は荷物がたくさん動く時期。きっとこのコンテナ車はきょうもどこかの線路上を西へ東へ働いているのでしょう。きっと肩が凝ってるヒマなどありません。首を回してコキコキなんていう猶予も無いでしょう。頭が下がります。実際いま頭を下げたら、やっぱり左の肩が痛い…ああ、凝ってます。