#325「目線」

|

 「上から目線」という言葉が浸透し始めたのはいつ頃だったでしょうか。日本語を扱う仕事に従事している私としては、「目線」じゃなくて「視線」だろ、とツッコミたくなるのですが。いつのまにか人口に膾炙、ということになっていました。

 電車というものはサイズが大きいので、普通に走っていれば周囲の路上に居る人を見下ろす形となります。ましてや、一部の2階建て車両から外を眺めるとき、目線の高さたるや相当なもの。周囲を見下ろしながら、遠方を見やりながら、目的地に行けるわけです。ゆえに追加料金を必要とする「グリーン車」に当てられるのも納得でしょう。

グリーン車を見下ろす場所

 ところが時に、こうして2階建てのグリーン車を見下ろす場所も有るわけで。こんな谷間のような場所に停まって、まさか上から見下ろされているとは思わぬことでしょう。ふっふっふ。日射しをたっぷり受けるべく、上部に湾曲したガラスも、かえってあだになっています。…はい。たまに上から眺めて、ちょっといい気分になっている私。人間が小さいですね。来年は改まるでしょうか…。


2016年8月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

プロフィール

近野さんポートレート
近野 宏明
(こんの ひろあき)

現在、ワシントン特派員。鉄道、自動車、航空機などの乗りもの・交通全般に詳しい。

more

このブログ記事について

このページは、近野 宏明(こんの ひろあき)が2009年12月25日 13:03に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「#324「絵本」」です。

次のブログ記事は「#326「夜汽車」」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。