#325「目線」
「上から目線」という言葉が浸透し始めたのはいつ頃だったでしょうか。日本語を扱う仕事に従事している私としては、「目線」じゃなくて「視線」だろ、とツッコミたくなるのですが。いつのまにか人口に膾炙、ということになっていました。
電車というものはサイズが大きいので、普通に走っていれば周囲の路上に居る人を見下ろす形となります。ましてや、一部の2階建て車両から外を眺めるとき、目線の高さたるや相当なもの。周囲を見下ろしながら、遠方を見やりながら、目的地に行けるわけです。ゆえに追加料金を必要とする「グリーン車」に当てられるのも納得でしょう。
ところが時に、こうして2階建てのグリーン車を見下ろす場所も有るわけで。こんな谷間のような場所に停まって、まさか上から見下ろされているとは思わぬことでしょう。ふっふっふ。日射しをたっぷり受けるべく、上部に湾曲したガラスも、かえってあだになっています。…はい。たまに上から眺めて、ちょっといい気分になっている私。人間が小さいですね。来年は改まるでしょうか…。