2008年4月アーカイブ
電気自動車で余談を1回。高速周回路を見渡すと、はるか向こうの敷地の外に、新しいマンションが見えました。見通せる範囲では、このマンションだけがテストコースを望めそうです。「私がライバルメーカーの人間なら、絶対にあのマンションの部屋を借りますよ。こっちが丸見えですもんね」と言うと、広報の方が 驚くべきコトを教えてくれました。「近野さん、あのマンションの手前に高いポールがたくさん並んでいるの、見えますか?」「ええ、あの白いの」「そうです。本当に見られてはまずいテストを行う時には、あのポールの間に目隠しのカーテンが張られるんですよ」
…やはり対策も万全だったんですね。まあ考えてみると当然のことですが。ケタ違いの開発資金を投入して新車を送り出し続けるには、ライバルには手の内を絶対知られないようにすることが不可欠です。実際にあのマンションにライバルメーカーの関係者がいるかどうかは分かりませんが、念のため、見られないようにするのは至極当たり前。
しかし岡崎工場のまわりはまだまだ高いマンションの建つ余地がありました。いずれ別の角度に高い建物が建つようになって、外周をぐるっとカーテンが取り囲む日も来るのでしょうか…?
前回のつづき。様々な実験施設を見せて頂き、お楽しみの試乗も満喫しましたよ。岡崎工場には一周およそ2400mの高速周回路や、急坂・砂利道などを盛り込んだクロスカントリー路などがあり、日々テスト走行が行われています。
高速周回路の驚きは、コーナー部分の「バンク」のきつさです。
外側車線のほうがグイーンと高くなっていて、ほとんどハンドルを切らずとも遠心力と相殺してカーブを走り抜けるのです。カーブの外側へ向かう高低差、実際に立ってみると静止するのも困難なぐらいの傾き。ぐいっと広げた私の両手が、水平ラインですからね。対する両足の位置の違いを注目してください。これでも真ん中車線あたりですから、さらに外側車線は推して知るべし。
テストドライバーさんの運転で助手席に座り、時速130キロ超で一番外側の車線を反時計回りに走って見ると、自分の左側、というより左下方に地面が見えます。カーブの頂上で停まったら、間違いなく助手席方向に車は転がって落ちていきます。また、もしドライバーさんがちょっとだけ右にハンドルを切ったら、コースの外側にすっ飛んでいくことでしょう。さすがにちょっとだけ身がすくみました。
それにしてもこの電気自動車、高速周回路でもクロスカントリー路でも、動力性能にまったく不足はありません。メーカーが自信を持って試乗の機会を設けるのも頷ける出来映えでした。
愛知県は岡崎に行って参りました。電気自動車の取材です。すでに市販されているガソリンエンジンの軽自動車をベースに、そのパッケージを活かして作られた最新型。開発者の話を聞き、試乗コースでたっぷりと運転する機会に恵まれました。結論から言うと、「予想以上の進化」に驚かされました。
車体の床面裏側には、リチウムイオン電池が畳1枚ぶん並べられています。ここからモーター・減速機を経由して力が後輪に伝達されます。運転操作は通常の自動車とまったく一緒。ただ、キーを回してもエンジンの音はしません。シーンとした静寂が車内を包みます。アクセルを踏むと音もなくスタート。アスファルトを踏むタイヤのノイズだけが、開けた窓から聞こえてきます。この静けさ。エアコンのファンの音が目立ってしまうぐらい。これはすごい。
実際に運転すると、加速がじつに気持ちいい。実際、小型車なみのパワー・トルクを持っていて、まだまだゆとりがあるそうです。くわしいインプレッションはまた次回…。
鉄道車両に乗ったとき、どういう席のグレードが高いか。「できればこういう座席に座りたい!」「こんな座席はいまいちだ」「この席はおトクだ」…私はこれに関してはハッキリした基準、ヒエラルキーがあります。ま、今改めて考えてみたんですが。もちろん、有料の特急や新幹線などは除き、普通料金で乗れる普通の列車で考えてみました。
下から行くと、やっぱり一番グレードが低いのは車体側面の窓に沿ってずらーっと伸びたロングシートでしょう。ヨコ方向に進むのも今ひとつ。流れゆく景色を眺めづらいのも失点です。 その次は単なる4人がけのボックスシート。列車の進行方向と体の向きが自然なのは喜ばしいのですが、これもできれば進行方向にむかって座りたいところ。背中のほうに列車が進むのは、ちょっとねえ。
そして、その上が今回の写真です。ボックスシートのように窓際に向かい合う、一人掛けの座席。しかし1対1で向かいあうというところが通常の4人掛けとは違います。この一人掛け座席は隣に誰かが座るコトができません。「お一人様」のために設えられた感覚が強い。しかもイコール窓際席ですので、ゆっくりと景色を堪能できるのです。いい。じつにいい。これは固定された席の中では「トク等席」と言えましょう。ただこのタイプはあまりないですよね。写真は東京モノレールで撮りました。
さらにグレードを上げていくと、関西に多い転換式のシート。2人掛けの座席がずらーっと並び、進行方向に合わせて背もたれをガチャンと動かせるタイプですね。これだと基本的にはどの席に座っても、前を向いて進行し、他人と向かい合うこともありません。
とまあ、いろいろ書き連ねて来ましたが、だいたい列車は混雑しているものです。グレードの高い席はなかなか座れるものではありません。ロングシートであっても座れれば御の字。きょうの帰りはどうなることやら。
もうひとつ、バスネタです。先日、仕事終わりで東京ディズニーランドに行ってきました。すると、スペースマウンテンの近くに、こんなかわいらしいバスが。4月15日に25周年を迎える東京ディズニーランド。来週から25周年を記念してディズニーの仲間たちが全国各都市をめぐるそうです。そのドリームツアーのために作られた特別仕様のバスが、この「ドリームクルーザーⅡ号」なんですって。
ドアのまわりはミッキーをかたどったデザイン。そしてフロントエンドはミッキーの耳もちゃんとついています。そして最後部はきっとディズニーのキャラクターが大勢乗るのでしょう、屋根のないオープンデッキタイプになっています。後輪が見えないように赤いカバーがついていたり、円いライトや角のとれたボディ、あえて1枚ガラスではなく2分割したフロントガラスなど、「古きよき時代のアメリカ」を表現するのがあいかわらず上手いなあと感心しきりでした。
ところでこの「ドリームクルーザー」は「Ⅱ号」ですからね。20周年の際に作られたという「Ⅰ号」のミニカー、買いました。今度お披露目いたします。
仕事が終わって、食事や飲み会に出かけるとき。多くは電車やタクシーで移動するのですが、珍しく「バス」に乗りました。新橋から乗ったバスは一路渋谷へ。ラッシュの時間帯はひとヤマ越えた後、でも夜の繁華街のタクシー渋滞にはまだ早い、ということで、意外にもスイスイと進みます。六本木アークヒルズ前では定刻までちょっと長めに停車して、時間調整を行うほどでした。
最後部右側の席に座ると、自分で車を運転していては注視できない、さまざまな新鮮物件が目の中に飛び込んできます。「ははーん、あのラーメン屋さんの2階にはこんなお店が」「いま大荷物を持って降りたおばちゃんが入った路地の先には何があるんだろう?」などと思うことしきり。
しかしこのときの乗車で最大の発見は、下車直前のこと。出口近くに座っていた女性の開いた文庫本。ふと視界に入ったその本の右ページ、見出しには衝撃の文字が。「勝負下着大量購入」。出口に向かって歩きながらだったので、残念ながらそれがどういう本なのか、見出しのあと本文はどう続くのか、もちろん判読は出来ませんでした。誰のどういう本なのでしょう?
げに夜のバスはおもしろし。
スタジオにはさまざまな「出し物」が登場します。食べ物だったり、資料や図表だったり、問題の商品そのものだったり。
今回はそうしたもののひとつ。観光バスのおもちゃです。
このおもちゃ、プラスチック製で前後ライトや側面のロゴなどはぺったりシールを貼っただけという、ま、ひとことで言うと「きわめて精巧」とは言い難いものです。ま、子ども向けのおもちゃですから当然ですよね。しかし全体のシルエットは良好、カメラを通して見るとなかなかいいんです。
そんなおもちゃですが思わず夢中になるポイントが。それは左最前部の「乗降ドア」のつくりです。ドアの上、天井にちょっとしたつまみがニョキッと生えています。このつまみはもちろん実車にはありません。それをねじると、ドアが実物さながらに開閉するんですねえ。ピタッと閉じたドア全体がにゅっと外側に張りだし、そのまま後方にスライドする。いい年した大人が「プシューッ」とエアの音マネをしたくなるからくりです。やっぱりからくり、ぐっと来ます。
先日、社内の面々が集まって重要な会議が開かれました。日本テレビ社内屈指の「鉄道好き」が集まったのです。ひとことで言うと、鉄道の趣味を仕事に生かし、日テレならではの何かを作りだそうというもの。その「何か」はこれから詰めていくわけですが、普段は別々の部署で仕事をしている面々が一堂に会して、「自分の鉄道趣味歴」を語り、「得意分野」を披瀝し、「こんな『何か』はどうか」とアイディアを出し合う、実に楽しくも有意義な会議でした。
同好の士というのはいいですね。初対面でもすぐ和み、話は「脱線」しながら盛り上がるわけです。あまりに盛り上がり、何も決まらなかったというのが問題ではありますが、次回が行われることはすでに決定しています。いやあ楽しみ。なんたって「次回は都電を貸し切りにして、チンチン電車の中でやろう」なんていう意見が出て、誰もそれを否定しないんですから。いずれ本当に都電会議があっても不思議ではありません。はっはっは。