#154 「電気 2」
前回のつづき。様々な実験施設を見せて頂き、お楽しみの試乗も満喫しましたよ。岡崎工場には一周およそ2400mの高速周回路や、急坂・砂利道などを盛り込んだクロスカントリー路などがあり、日々テスト走行が行われています。
高速周回路の驚きは、コーナー部分の「バンク」のきつさです。
外側車線のほうがグイーンと高くなっていて、ほとんどハンドルを切らずとも遠心力と相殺してカーブを走り抜けるのです。カーブの外側へ向かう高低差、実際に立ってみると静止するのも困難なぐらいの傾き。ぐいっと広げた私の両手が、水平ラインですからね。対する両足の位置の違いを注目してください。これでも真ん中車線あたりですから、さらに外側車線は推して知るべし。
テストドライバーさんの運転で助手席に座り、時速130キロ超で一番外側の車線を反時計回りに走って見ると、自分の左側、というより左下方に地面が見えます。カーブの頂上で停まったら、間違いなく助手席方向に車は転がって落ちていきます。また、もしドライバーさんがちょっとだけ右にハンドルを切ったら、コースの外側にすっ飛んでいくことでしょう。さすがにちょっとだけ身がすくみました。
それにしてもこの電気自動車、高速周回路でもクロスカントリー路でも、動力性能にまったく不足はありません。メーカーが自信を持って試乗の機会を設けるのも頷ける出来映えでした。