2014年6月アーカイブ

#420 「長身」

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 アメリカの道でよく見かけるのが、スクールバス。そうです。アメリカに来たことの無い方でもご存じかと思われる、あの黄色いバスです。黄色といってもかなり濃い色合いで、路上にあってかなり遠くからでもその存在が容易にみとめられます。

2014_0610-bus.jpg  ワシントンの市街中心部ではあまり見かけないのですが、ある日、支局近くで停車しているのを発見。道路の反対側から見て、初めてその違和感に気づきました。 前輪と後輪との間の長さを「ホイールベース」といいます。一般的な乗用車では、これが長いほど操縦安定性に繋がるとされます。

 ですがこのバス、車体の長さに比べて、ホイールベースが短くないでしょうかね。前輪の位置はボンネットに収まるエンジンとの関係でほぼ自動的に決まりでしょうが、後輪の位置が若干前に来すぎかと思うのです。というか、後輪の車軸より後ろの車体が長すぎじゃないか...と気になるわけです。窓2つぶんぐらい。どうもホイールベースに比して長身に見えてしまいます。車内後部に乗客が集中して重たくなると、なんだか前部が浮き上がって尻餅をつきそうな...。

 もっとも、乗客といってもほとんどの場合は子供たちですから、重さの問題は大した事ないかもしれません。それに、バスの場合ホイールベースが無用に長すぎると、狭い交差点を曲がる時や駐車の際に小回りがきかなくなり、それはそれで別の問題ですし。

 アメリカ生活の短い私にそんな心配をされるまでもなく、長年この形でやってますので、これですべてOKなのでしょうが。ちょっと気になりまして。

#419 「困憊」

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 今回更新が少々遅れたのにはワケがあります。今週、私は取材のため出張していたのですが、順調に進んだ取材とは裏腹に、地元ワシントンに戻ることにとんでもなく手間取ったからなのです。

20140613-1.jpg  帰る日は、朝早くからの取材でした。お蔭さまで予定通りに終わり、見込みより少し早めに空港に正午前に到着。この時点で出発には2時間あまりの余裕がありました。飛行機のチェックインを済ませて昼食。慌てることなくゆったりと摂って、いよいよ搭乗ゲートに向かったのです。そこが、暗転の始まりでした。 チェックイン時点では定刻14時10分発だったはずの便は、到着地周辺の天候不良を理由に、出発を1時間遅らせるというのです。ゲート前でしばし待つと、さらに遅れて出発は16時35分に変更。すでに2時間半以上の遅発です。むむむ...。
 16時10分、搭乗開始。着席してやれやれと一息つきまして、機体は滑走路へ。この時点で私、早起きがたたって眠ってしまいました。ひと眠りしてはっと目が覚めると、窓からまだアスファルトが見えます。機体はどうやら滑走路横の誘導路あたりにいるようです。17時25分、「まだ30分ほど機内で待機を」とのアナウンスが。本来ならばワシントン支局に戻っている頃と思われます。 19時前、搭乗から3時間近く経って、さすがに乗客をいったん降ろす、という判断に至りました。ずいぶん前に通ったような気がする搭乗ゲートを、逆に戻ります。はあ...。

 その後、飛ぶかどうかを「20時に案内する」「20時40分に案内する」と続き、21時前、遂に私たちの乗る便は「欠航」と相成りました。この頃には、預けた機材をおろしてくれとカウンターに詰め寄る乗客が多数。ふと気づけば、何人もの警察官まで出動しています。

20140613-2.jpg
 乗客の誰かが係員に暴言でも吐いたのでしょうか。おおごとになってきましたが、それ以上のざわめきはなく、誰もがやりきれない思いとともに荷物の受け取りや搭乗便の変更手続きに入りました。我々も同様であります。結局荷物を引き取って空港をあとに、(急遽押さえた)ホテルに向かったのは22時すぎ。なんだがずいぶん長い一日となりました...。

 翌日。振り替え便に乗ろうと空港に来ると。なんとその振り替え便が欠航に!信じられない!あれやこれやあって、ワシントンに到着したのは当初予定より21時間遅れでありました。私の乗った便は、離陸から着陸まで、風で揺れ続け、ほぼずっとベルトサインが点灯したままでした。なかなかのフライトでありました。疲労困憊。

#418 「大挙」

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 5月26日、アメリカは「メモリアルデー」という国民の祝日でした。戦没将兵の記念日ということで、あまたの戦争で没した将兵を悼み、故人を思い起こすという祝日です。3連休となったこの週末、ワシントン市内や近郊の幹線道路はどこもかしこも、おびただしい数の大型バイクが隊列を組んで走ります。

20140603-1.JPG20140603-2JPG.JPG  亡くなった誰かを思い出して走るというわけですが、この数が本当に多いんです。この写真で隊列を組んでいる数はまだまだ。数十台単位でがっちり固まって走るチームもざらです。星条旗をなびかせて走るバイクも多く見受けられます。

 そして彼らは各種の追悼式典に出たり、イベントに参加したりするわけです。国防総省の前を通ったときには、広大な駐車場に見たこともないぐらい多数のバイクが集結。それには及びませんが、2枚目の写真、分かりにくいですけど木立の向こうの敷地をバイクとライダーが埋め尽くしています。

 バイクの多くはハーレーなので、独特の太いサウンドが街のあちこちにとどろきわたります。ただ、大挙集結している理由を皆理解しているので、むしろ親しげに手を振ったり、声をかけたり。大きなバイクに乗った屈強そうなライダーも笑顔で応じます。アメリカならではの祝日です。


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プロフィール

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近野 宏明
(こんの ひろあき)

現在、ワシントン特派員。鉄道、自動車、航空機などの乗りもの・交通全般に詳しい。

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