#331「宙吊り」
尾道シリーズの続きです。久々に当コラムに登場するは、ロープウエー。あれは確か蔵王の回(#038)以来ではないでしょうか。尾道のロープウエーはすでに50年以上の歴史をもつ、大ベテラン。私が訪れた日も、15分おきに行ったり来たり、急斜面を静々と登り降りしながら絶景を見せてくれました。
ところで、縁起でもないことなんですが、ロープウエーのトラブル、稀にありますよね。強風や機械のトラブルで途中停止してしまうこと。乗っている人にとっては完全に密室、下界と隔絶した空間で、心細く救出(あるいは運転再開)を待たねばなりません。この状態を称してなんと言うか。
たまーに、新聞の見出しやニュースのタイトルで見られるのが「ロープウエー、宙吊り」というもの。しかしいつも私は気になるのですよ。だってロープウエーは正常に動こうがトラブルで止まろうが、何にせよいつでも「宙吊り」なんですもん。私のところにそういう原稿が回ってきたら、必ず手直しします。「ストップ」とか「立ち往生」とかね。