#069 「センス」
#066で掲載したN700系。ホームに進入する実車の写真は、山本真純アナウンサーの撮影になるものです。実はまだ他に2枚ありまして、それが今回掲載するもの。
ひとつは「試運転」という表示。
もう一つは車両同士の連結部分です。
山本アナはいわゆる「鉄子」ではありません。しかしこの2枚の写真には、なかなか「鉄道好きのセンス」が感じられます。どういうことか。
まず「試運転」の表示。この部分、古い新幹線は電光掲示ではなくてグルグルとロール状の表示が回っていくタイプのものでした。皆さんもご覧になったことがあると思います。終着駅で折り返し列車になるときに、グルグルと「ひかり 広島」「のぞみ 博多」といった表示が上下に回っていくのを。現在最新鋭の700系でも、電光表示はJR西日本のみ、JR東海の車両は昔ながらのロールタイプだそうです。
そして連結部分のようす。山本アナはきっと「N700」というロゴに注目したんでしょう。しかし実は、この連結部にこそN700系の特徴が。よく見ると、隣り合う車両同士が、クリーム色がかったゴムパッキンでぐるりとスキマ無くつながっています。空気抵抗を減らし、騒音も低減させるため、N700系で初めて取り入れられた構造です。
と、おそらく思いがけずN700系の特徴を捉える写真を撮っている山本アナ。鉄道に対して好意的な感情を持っていることは私も確認していますが、もう少々深いレベルに踏み込むセンス、十二分に持っているようです。…いや、実は知識を持ったうえで撮っているのかな…?