2015年3月アーカイブ

#457「掃除 その後」

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 先回、今秋に「掃除グルマ」を探そうと決意をした私ですが、その決意の固さが「乗りものの神さま」に届いたのか、まさかのタイミングで遭遇してしまいました。

kon20150331-1.jpg kon20150331-2.jpg  どうです、ワシントンの市街中心部、フリーダムプラザという広場を歩いていると、私の後ろから通常の車とは違う、何とも素朴な音が聞こえてきました。振り向くとそこに、かの掃除クルマがちょこまかと近づいてきたのです。皆さまにご覧に入れたかった作業をやってます。やってます。

オペレーターの左手はステアリングホイールに。そして右手は取っ手をつかんで、吸い込みチューブをきめ細かく操っています。人の歩くのと同じようなスピードでやっていますので、いやー、いい感じ。

ま、3月にもなると枯葉はほとんどなく、よく見るとあんまりゴミも落ちていないんですが。春にむけて街をキレイにしていたのでしょうか。これにて私の気持ちもキレイに落ちつきました。

#456「掃除」

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 3月も下旬に入り、日本では桜の花も咲き始める時期であります。そう書いているここワシントンは先週も雪が降りました。夏時間になってずいぶん春の気配が近づきつつあることを実感していたのですが、油断なりません。そんな冬の終わりを迎えるにあたり、今回は今さらのように「冬の初め」の風物詩的な乗りものを紹介いたします。

0325_01.jpg  この赤い1人乗りの車、冬の初めに大活躍していました。むき出しの運転席の後ろには排気口付きのタンク。そこから伸びる自在なチューブは車体前方に。これこそ、この車のキモ。みなさんのご自宅にある「掃除機」と同じ役割を果たしているのです。

 ワシントンは市街地もほとんどの通りに街路樹があり、各所に1ブロックまるまる広場になっている「スクエア」があるので、秋の終わりには木々の枯葉がどんどん路上に降り積もるわけです。そこに現れるこの車。落ち葉が路肩に吹き寄せられた頃合いを見計らって、シューッと吸い取っていきます。この写真では分かりにくいですが、チューブの先端を台座から外すこともできるようで、オペレーターは左手でハンドルをさばき、右手でチューブをきめ細かく操って掃除、という職人技も見せてくれます。

その様子たるや、「小回り×小回り」という感じ。概して大まかなことの多いアメリカにあって、ちょっと異質な作業なのです。本当はそのようすを写真に収めたかったのですが、今シーズン、どうしても撮るチャンスに恵まれませんでした。「あっ!ちょうど掃除している」という時に限って、自分自身は車を運転していたり...。今秋は、彼らに負けないきめ細かさで掃除のようすを追い求めます。

#455「ジープ」

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 アンティークモールで見つけたもの、先回に続いて紹介いたします。「高額・お上品系」ではないモールに行くと、ミニカーや、鉄道模型(多くの場合はバラバラでセットとしては不揃い)、自動車雑誌、古い道路地図など、乗りもの系の商品はよく目に入ります。ま、私がそっち方面に意識的になっているだけかもしれません。宝飾品方面にはまったく関心がないもので。そういえば、モールで見かけたとあるお店は、食堂車で使っていた食器やランタンを取りそろえていました。アメリカの長距離鉄道全盛期、半世紀以上前のものでしょう。鉄道会社のマークや、列車名のロゴが格調高くプリントされていて、ちょっと欲しくなりましたがぐっと我慢...。

20150317.jpg  そんな中、この出展者はなかなかちゃんとした乗りものグッズを取りそろえていました。いちばん目立つ台の上に鎮座していたのは、子供用のジープのペダルカーです。シンプルながら実車の雰囲気がちゃんと表現されています。これは何年ぐらい前のものなのでしょう。そして何人の子どもがこれに乗り込んで走り回ったのか。小豆色のボディはキズも少なく、「中古車」としては悪くない状態です。ちなみにお値段は245ドル。いかがでしょう?

#454「タンク」

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 アメリカにはアンティークショップがたくさんあります。ひとくちにアンティークといっても、いわゆる骨董、古美術、高級時計や宝飾品といった「高額・お上品チーム」から、ふつうの家具、食器、生活雑貨、古雑誌、果ては引き出しの取っ手、使用済み絵ハガキ、といった「低額・ジャンクチーム」までいろいろ。お店の構えも、いかにもお金持ちのオーナーが客の審美眼を試すような敷居の高いところから、裏庭のガレージみたいなおんぼろまで。さまざまありますが、後者のような「これで商売成り立っているのかな...?」という感じの店や、何十もの業者が小さなブース単位で出店している「アンティークモール」を巡るのが楽しいのです。

20150310_.jpg  先日、100ぐらいのお店が集まるアンティークモールに行った際に見つけたのがこのタンク。誰がどうみてもスズキのオートバイのガソリンタンクです。詳しい方が見れば、もしかしたら年式や形式まで当てちゃうかもしれませんが、私、バイクはそこまで詳らかにしていないので、分かりません。

 試しに、「バイク」「タンク」でネット検索してみたところ、意外や中古タンクの販売があったり、あるバイクの歴代カラーリングを再現したペーパークラフトのページがあったり、意外や奥深そうなことが判明。たしかに、バイクのタンクは形も色も、バイクの「キモ」の一つだなあと気付いたことでありました。

 ところで、このスズキの青いタンク、中も外もサビていて、再利用は困難そう。いつの日か、かつてこれと同じバイクに乗っていた人がたまたま来店して、「おおお、これ懐かしい!昔同じのに乗ってたよ...。買っちゃおう!」となる日を願っております。

#453「禁止」

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 ワシントンの市内には、通常の路線バスのほかに、「サーキュレーター」という循環バスが走っています。駅と市街地、市街地同士を結ぶ幾つかの路線が有るんですが、先日乗車したときに気付いた車内掲示がこれ。

20150303-JPG.jpg  「禁煙、飲食禁止、ラジオ禁止」です。この図柄からすると、「ラジカセ禁止」でしょうね。平成生まれの皆さんは知らないと思いますが、かつてラジオとカセットテープデッキがひとつになったデバイスを「ラジカセ」って言ったんですよ。私の子どものころはカセットデッキが一つ。中高生の頃はカセットデッキがダブルになって、ダビングができるようになって...。昔話ですね。意味不明でしょう。

 かつてアメリカ映画やドラマを見ると、若者はラジカセを片手に、あるいは肩にちょいと担いで街を闊歩し、ローラースケートで遊歩道を転がし、スケートボードで海岸線を流していたものでした。当然、音楽を鳴らしながら。ウォークマンでもiPodでもない、ヘッドフォンやイヤフォンじゃなく、スピーカーの音を聞くわけです。音楽を外に持ち出すという行為は、電池を入れたラジカセでも行われていました。

 2015年のいま。バスの中でラジカセを使って音楽を鳴らしてはいけませんという表示がある、ということは...、そんな古き時代をいまに体現する人がこのバスの中に出現する可能性はあるのか。と思ったら、いるんですよ。ホントに。この街には。絵に描いたようにラジカセを手にして歩く人が。あの人がバスに乗ったら、この掲示がはじめて役に立つわけですが、まさかこの禁止表示が想定している状況がまだあるとはねえ。

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プロフィール

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近野 宏明
(こんの ひろあき)

現在、ワシントン特派員。鉄道、自動車、航空機などの乗りもの・交通全般に詳しい。

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