#456「掃除」

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 3月も下旬に入り、日本では桜の花も咲き始める時期であります。そう書いているここワシントンは先週も雪が降りました。夏時間になってずいぶん春の気配が近づきつつあることを実感していたのですが、油断なりません。そんな冬の終わりを迎えるにあたり、今回は今さらのように「冬の初め」の風物詩的な乗りものを紹介いたします。

0325_01.jpg  この赤い1人乗りの車、冬の初めに大活躍していました。むき出しの運転席の後ろには排気口付きのタンク。そこから伸びる自在なチューブは車体前方に。これこそ、この車のキモ。みなさんのご自宅にある「掃除機」と同じ役割を果たしているのです。

 ワシントンは市街地もほとんどの通りに街路樹があり、各所に1ブロックまるまる広場になっている「スクエア」があるので、秋の終わりには木々の枯葉がどんどん路上に降り積もるわけです。そこに現れるこの車。落ち葉が路肩に吹き寄せられた頃合いを見計らって、シューッと吸い取っていきます。この写真では分かりにくいですが、チューブの先端を台座から外すこともできるようで、オペレーターは左手でハンドルをさばき、右手でチューブをきめ細かく操って掃除、という職人技も見せてくれます。

その様子たるや、「小回り×小回り」という感じ。概して大まかなことの多いアメリカにあって、ちょっと異質な作業なのです。本当はそのようすを写真に収めたかったのですが、今シーズン、どうしても撮るチャンスに恵まれませんでした。「あっ!ちょうど掃除している」という時に限って、自分自身は車を運転していたり...。今秋は、彼らに負けないきめ細かさで掃除のようすを追い求めます。

2016年8月

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プロフィール

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近野 宏明
(こんの ひろあき)

現在、ワシントン特派員。鉄道、自動車、航空機などの乗りもの・交通全般に詳しい。

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このブログ記事について

このページは、近野 宏明(こんの ひろあき)が2015年3月24日 13:00に書いたブログ記事です。

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