2014年4月アーカイブ

#413 「桜花」

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 みなさん、大型連休はいかがお過ごしでしょうか。ことしは曜日の並びが今ひとつということで、必ずしも長期の連続休日を取りづらいかもしれませんが、それでもやはりこの時期は心が弾みますよね。そんな時期に相応しい、ちょっと遅ればせながらの写真を

20140429-1.jpg20140429-2.jpg  ワシントン市内では、レンタル自転車の無人ステーションがあちこちにあるのですが、この春は多くの自転車のフロントに、桜マークが貼られました。全米から多くの観光客が集まる「桜まつり」の時期でしたからね。

この自転車を停めているステーション、市街地はもちろん、市外に出たあたりにもあってかなり便利です。観光客の一時的な使用はもちろん、在住者のなかでも一年契約で毎日の出勤や週末のサイクリングにも使っている人が結構居るのです。

 しかし、いつも疑問なのはアメリカやヨーロッパの自転車って、あまり前カゴを付けないですよね。この自転車もご多分に漏れず。ビジネスマンがカバンを載っけるには心許なく、ましてやスーパーで買い物した奥様が袋を載せるのも不安です。桜花は散る姿も風情のひとつですが、荷物は「散って」しまってはいただけません。日本式のカゴ、いいと思うんですけどねえ。

#412 「行楽」

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 前回に続いて、ドイツの新聞の別刷「自動車」のページを見てみます。中古車情報を読み進むと、途中で自動車のコーナーが終わり、オートバイのコーナーに入ります。言わずと知れたBMWの地元ですから、当然、大型のBMWが並びます。エンジンの排気量は軒並み1200CC。日本ではあまり見ないですよねえ。

20140415-4.jpg  そしてその先。最終版には「キャンピングカー」が登場します。写真は少ないのですが、トレーラータイプ、ワゴン車改造タイプが掲載されています。先日アメリカのキャンピングカー事情を書きましたが、ここヨーロッパでも行楽の主役に定着しているのですねえ。どれぐらいの家庭がこれを持っているのか分かりませんが、中古車市場でこれだけ出回っているということから、日本とは異なる事情が伺えます。

 冬の長いドイツで、野外のレジャーを楽しむお供としてキャンピングカーを持つなんて、とてもうらやましい。そういえばドイツには期間限定ナンバーもあるそうで。キャンピングカーやオープンカーは1年のうち春から秋まで限定したナンバーにしておけば、そのぶん節税もできるんですよね。車そのものだけでなく、制度も伴うからこそ、行楽も楽しめる。さすが、自動車を生み出した国です。

#411 「当地」

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 先日、オランダに出張した帰りみち、ドイツのミュンヘンで飛行機を乗り継いだのですが、その際に手にした地元新聞には「自動車」の別刷がありました。

20140415-1.jpg  とはいえ実際の記事はほぼ表紙だけ、あとは中古車の売買情報であります。万国共通のフォーマットと言いましょうか、写真の下に年式や色、走行距離や装備などが事務的に書いてあります。

 だからといってつまらないかというとそうではない。まず車種は小型車が多いですね。さすが欧州。とくにBセグメント、Cセグメントと呼ばれるクラスのハッチバックが並んでいます。欧州お得意のジャンルです。

20140415-2.jpg  そして何より、エンジンにも特徴が。とにかく「ディーゼル車」が多いのです。メルセデス・ベンツのディーラーが出している中古車のリストは、ほとんどディーゼル車。日本では排ガスの問題で一時はほぼ絶滅状態だったディーゼル車ですが、欧州ではクリーンでハイパワー、燃費のよいディーゼルが幅をきかせています。それを象徴するようなラインアップ。ドイツ語は殆ど読めないけれど、ご当地の事情が読み取れる、なかなか興味深い別刷でありました。

#410 「回顧」

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 新学期の季節にいきなり振り返るのもなんですが、古くて懐かしいものにバッタリ出会ったものですから、お許しくだされ。

 先日出張でカリフォルニアに行った際、空港のコンコースで「日本の遊具」の展示が行われていました。昔懐かしい民芸玩具からはじまり、ブリキのおもちゃ、セルロイドの人形など、昭和の子供たちが手にしていた、あるいは手にすることができず憧れていた遊具が多数並んでいたのであります。

20140408-1.jpg  その一角に、こんなものも置かれていました。遠くからパッと見たところ、これが何なのかわかりにくかったのですが、近づいて納得。デパートの屋上遊園地などでお馴染みだった、乗りもの遊具でした。

20140408-2.jpg  ウルトラマンと仮面ライダー。ちょうど首の付け根のところに、握り棒がガチッと付いていて、胸の下方には足乗せが生えています。説明書きを読むと、70年代初頭のものと書かれて居ましたので、ちょうど私も楽しませてもらった年代のものでしょう。この種の乗りものは支点となる直立した棒を中心に、ぐいんぐいんと前後や上下に揺れる程度でした。それの何が楽しいのかと言われれば、今となってはよくわかりませんが、「自分ひとりで」「動くものを操る(ような錯覚)」を楽しめたのが心ときめく理由だったのでしょう。ずいぶんお世話になりましたねえ。

 それにしてもこの2人、体の反り返りが尋常じゃありません。正義の味方は鋼のように強いだけでなく、びっくりするような柔軟性も兼ね備えていたということですね。きっと。

#409 「開眼」

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 新年度の始まりですね。私のアメリカ生活も、早いもので1年が経過。2年目に入りました。文字通り、掛け値なしに「早いもので」としか言いようがありません。こうして人間トシを取っていくんですねえ。

 先日、本屋さんに立ち寄ったとき、例によって「乗りもの」の雑誌を眺めていたら、こんな本が売られていました。
20140401-11.jpg     20140401-22.jpg
 キャンピングカーのカタログです。日本ではまず商売にならないであろうこの雑誌、あらゆるキャンピングカーが掲載されているようで、実に読み応えあり。キャンピングカー、当地でドライブしていると大小さまざまな型のものをよく見かけるので、興味ありありだったのですが、見てびっくり。大型の「モーターホーム」(=自走するタイプですね)から、自らは動力を持たずに自動車に引っ張ってもらう「トレーラー」タイプまでまあ、読み切れないぐらい掲載されています。

 まずは大型のバスの内装を改造したモーターホームを見て見ましょう。さまざまなメーカーがラインアップしています。どれどれ...。排気量1万5000CC、600馬力のエンジン。ひえぇ。親切に、ぜんぶ「間取り図」が付いているので吟味してみると...。フルサイズのベッドはもちろん、リビングルーム、大きな冷蔵庫やレンジのあるキッチン、トイレ2つにシャワールーム!まさに「ホーム」ですね。

 そしてこのクラスになるとお値段は40万ドルから80万ドル!ひぃー。そりゃこれだけの調度を揃えたら日本でマンションを買うより高いのも当然か?まあそもそも、大型のバスを「素で」買うところからして、我々が知るよしもない値段からスタートするのですからね。

 これを実際に買って悠々と乗り回し、旅を楽しむ人がわんさといるって、アメリカのモータリゼーションは懐が深いですねえ。もっとも、買わなくても「レンタル」の業者も多数ありますけど。それはそれで商売が成り立つというのも、おそろしや。

 ちなみに、この雑誌のお値段は7.99ドル。80万ドルの魅力に開眼するにはたいへんオトクな1冊でした。あはは。

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プロフィール

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近野 宏明
(こんの ひろあき)

現在、ワシントン特派員。鉄道、自動車、航空機などの乗りもの・交通全般に詳しい。

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