#403 「除雪」
東京から東北にかけての記録的な大雪のニュース、アメリカでも心配しながら見ていました。ちょうど週末で、多くの人が通勤通学しない日でしたが、出掛けようとされた方、外出先から戻ろうとしていた方には甚大な影響が出たと拝察します。転んだり、車がスリップしたりして多くのけが人も出ました。お見舞いを申し上げます。
首都圏の鉄道がとりわけ雪に弱いのは、そもそもコストとの見合いで雪国のような厳重な設備投資をしていないことなどが挙げられます。除雪用の車両を持っていない鉄道会社もありますから、今回ほどの積雪ともなれば、容易には運行できません。
今回の写真は、そんな雪とたたかう車両の一例。ワシントン郊外の、路面電車を集めた博物館の車庫にありました。一見するとふつうの電車ですが、その足もとには何やらハリネズミのようなトゲがたくさん取り付けてあります。これをぐるぐると高速回転して線路上の雪をハネ散らすしくみですね。いわゆる「ささら電車」です。日本では札幌市電のものが有名ですね。アメリカでも同じものを見るとは思いませんでした。
触ってみるとこのトゲは竹を細かく割いたもの。確かに、素材が強すぎても弱くてもいけないわけで、竹というのは絶妙な強度なのでしょう。ただ、大きな課題は雪の重さ。いわゆるパウダースノーでなければなりません。関東地方の重たい雪では竹のほうが負けてしまいます。
鉄道と雪とのたたかいはまだまだ続きそうです。今冬の「想定外」は今回だけだと良いのですが。