#396 「両立」
クリスマスにお正月。日本の子どもたちにとって楽しみな時期がやって参りました。あれも欲しいしこれも捨てがたい、と悩みを抱えた子どもたちがきっとたくさんいることでしょう。クリスマスではこっちをリクエストして、お年玉でこれを買おう、と計画している子もいるかもしれません。
かく言う私もその1人でした。「車のおもちゃも欲しいし、飛行機のおもちゃも欲しい。むむむ...」と困っていた幼少のみぎりが、ついきのうのようです。実際にはもう30年以上経っているんですけど。そんな願いを一発で叶えるおもちゃではなく、「ホンモノ」があることを、アメリカに来て知りました。
こちらがその「ホンモノ」。何とも可愛らしい軽飛行機ですが、よく見るととんでもない機能を備えています。コックピット部分が翼と機体から離れて、そのまま自動車として走っていくというしくみ。飛行機も車も欲しいという願いを見事に両立しています。
かなり古い機体ですが、飛行機の歴史、自動車の歴史をみると、他にも同様の「着陸したら車に変わる」というコンセプトの飛行機はいろいろあったようです。どっちが主体かは議論の分かれるところですが。
問題は「翼」と「機体」をどう片付けるかということですが、折りたたんで(それでもけっこうデカい)車が運んでいく形式のほか、この写真のように「置いて行く」形式も。どちらも一長一短ですね。どんな形式にしろ、結局この種の両立機が定着しなかったところをみると、やはり両立という発想自体に無理があったんですかね。
ということでよい子の皆さん、二兎を追う者は一兎をも得ずといいます。狙いはひとつに絞って堅実にいくのが間違いなさそうです。