#395 「結線」
バスの到着というのは、21世紀に残る数少ない「あてのない待ち時間」ではないでしょうか。もちろん最近はスマートフォンのアプリなどで「次に来るバスの運行情報」みたいなのが見られたりしますが。私の場合はそこまでしません。ゆえに、由緒正しい「昭和の待ち人」的な佇まいで、バスがやってくるはずの方向を何度も見やったりするわけです。
と、そこに給油口にチューブを結線したままのフォード・フュージョンが居てびっくり。
なにゆえ路上で給油しているのか。そしてもし給油なら横に立っているべきドライバーはどこに行ったのか。ていうかガソリンスタンドはどこ?と、さまざまな疑問がわいてくる、わいてくる。しかもバスが来そうにないので、様子を見に近づいてみますと、これが電気の補給をしていると判明。
この車はいわゆる「プラグイン・ハイブリッド」なんですね。電気モーターとガソリンエンジンを併用しつつ、その大容量バッテリーに直接充電できちゃうというもの。このチューブの中、ガソリンが流れているのではなく電線が入っていますから、文字通り車と「結線」していると。
アメリカ車も昔のイメージとは異なりエコ性能を上げているとはいえ、街中で見かけるとまだびっくりしますね。こうした光景を見慣れる日は意外と早く訪れるのでしょうか。などと考えていると、お目当てのバスが到着。「あてのない待ち時間」は回避されました。