#391「豪快」
「アメリカを代表する風景」「アメリカを象徴する風景」としてしばしば例示される場所のひとつが、カリフォルニア州のヨセミテ国立公園であります。私も実際に行ってみて、その豪快なスケール感と美しさに圧倒されました。青い空、白い雲。灰白色の岩崖は上から見れば足のすくむ深さ。下から見上げれば、全てを押し倒さんばかりにそそり立っています。そして谷底に広がる緑ときらめく清流。どこを切り取っても、日本ではまず見られない風景ですね。
そんなヨセミテの園内をぐるぐると回る観光客のトレーラーがこちらです。清々しいと言ってよいでしょう、このシンプルさ。教会の中のような簡素な椅子がずらっと並び、屋根も風よけもありません。だからこそ生のままの自然を楽しめるんですね。
そして、このトレーラーを引っ張るトラクターが、また豪快。人間の重さって大した事ないですから、おそらく動力性能は「過剰」に近いんではないかと思われます。このときも、勇ましいエンジン音を響かせて去って行きました。でもまあ、乗ってるお客さんにしてみれば、「頼れるアニキ」的な安心感があるのかもしれません。風景も乗りものも、非常にアメリカ的なヨセミテでありました。