#390「意外」
アメリカで出張取材に行くと、現地での移動手段としてレンタカーを借りることが多いです。私のイメージとしては、アメリカのレンタカーというと、「旧い年式」「くたびれた艶のない外装」「饐えたにおいの染みついた内装」「がさつくエンジン音と走り」みたいなあまり良くないイメージが先行しておりました。
おそらく、古い映画に出てきた「謎を追っている主人公」「事件を掘り下げる刑事」がその根底にあるんだと思います。物語のカギとなる街で焦燥感を胸に走らせる車。そんな印象を私の脳裏に強く残したのでしょう。我ながら、かなりサスペンスものに偏ったイメージですが。
ところが、実際にレンタカーを利用してみると、そんな先入観は吹き飛ばされます。どうでしょうこの顔ぶれ。バラエティに富んでいること。そして乗ってみるととても快適。私たちの仕事では、原則的には3人以上の荷物と機材を載せるので、多くの場合にはSUVやミニバンを借りるのですが、それ以外にも魅力的な車、結構あります。とくに日本ではまず乗ることのないアメリカ車が幅をきかせていますから、車好きとしてはかなりわくわくします。よい意味で「意外」なことなんですが、保険料などを含めると決して安くはないというのも、車社会のアメリカというイメージにそぐわず、これも意外でありました。