#355「シビック 2」
前回、つらつらと思い起こした5代目「スポーツシビック」あたりまでが、私にとってのシビックのよき時代、だったように思われます。若々しさと躍動感のある、ちょっとスポーティな程のよい実用車。イコール、ホンダを代表する車種。
しかし95年の6代目以降は、なんだか大きくなり過ぎて、本来のシビックのポジションを見失いつつあったようで。実のところは5代目もかなりの大きさでしたが、6代目でその疑問符が大きくなっていったような気がします。このへんから、小型車の代名詞の一つだったシビックも、徐々に輝きを失い、結果としては今に至る販売台数の低下につながっていったと。
その裏返しが、シビックの原点を想起させる2001年発売の「フィット」の大ヒットにつながっているんでしょう。より小型で広く、シンプルできびきびした車。21世紀のシビックがこれだと思えば、まあ自然につながるような気がします。
どんなヒット作も、時の流れと世の変化には抗えないこともある。日本におけるシビックの近年をみるにつけ、自動車のビジネスというのはたいへんなものだなあと思う私でありました。