#309「モーターショー 2」
淋しいモーターショー。その一端は「イベントコンパニオン」の世界も同様です。初めてプロダクションの幹部に話を伺いましたが、その窮状たるや、驚きです。イベントコンパニオンの世界では、モーターショーは一つのステイタスだそうで、きらびやかな衣装、練り込まれたステージ、夥しい数の観客、どれもが女性達の憧れでもあったということ。しかしその表現の場自体が激減。今回の求人は従来の半分になったとか。その結果、単に笑顔でクルマの横に佇むだけではダメで、商品の説明や通訳など、一人何役もこなすことが求められるそうです。しかし、せっかくオーディションをやったのに、キャンセルという例も。次回以降はモーターショーに拘泥することなく、同時期の別イベントへの参加も検討しなくては…と話していました。
とはいえ、楽観的に見ている経営者もいました。日産のカルロス・ゴーン社長です。「(各メーカーが)日本市場を軽んじているなんて事は全くありません。我々にとって非常に重要なマーケットです」「この1年は、だれもが倹約しようとするでしょう。しかし2年もすれば、私の予想では、(今回出展を控えたところも)みんなモーターショーに戻ってくるでしょう」とおっしゃる。そのキーは電気自動車。「これこそがすべての問題の解決方法なのです。原油高、地球温暖化、排気ガスなど、すべての問題を可決できる唯一の正解なのです」と、自社製品に自信をしめしていました。
別のメーカー関係者は「環境だけ」では息が詰まる。やっぱり「走り」の愉しさも目指していきたいとのこと。期待しましょう。