#304「海芝浦」
JR鶴見線の旅、実に楽しくもディープです。今回は枝分かれしている鶴見線の行き止まりの一つ、「海芝浦」に向かいました。「鶴見小野」駅を発車した電車は、首都高速横羽線をくぐると一気に工業地域に入ります。この時点で乗客は、ほぼ、この地域の大工場に関係する人ばかりと見受けられます。そりゃそうですよね。いわゆる「盲腸線(=行き止まりの路線)」ですから。ところが「ほぼ」と書いたのにはワケがあります。残る「少数」は、ほぼ、「鉄道好き」と思われるのであります。つまり、私と同様、「わざわざこの鶴見線に乗りにきた」という風体の方がちらほら…。居るんですね(と、自分を棚に上げる)。
電車は「浅野」で二手にわかれ、いよいよ工場と運河以外に何も見えなくなります。そして「新芝浦」駅を出るとまもなく、ぐいっと右にカーブ。終点の「海芝浦」到着です。
…噂に違わぬ駅でした。単線の進行方向左手にホーム。その横は、海です。ホームの下方から「ザパッ、ザパッ」と小さく波が打ち付ける音が聞こえます。同じ水の音でも、やっぱり川とは違います。ホームに立つと、海の向こうに首都高速の大きな橋「鶴見つばさ橋」の偉容がドーンと。上を往くクルマがとても小さく見えます。日本の土木技術って、すごい。いっぽう小さなホームの先には…。