#283「廃線」
G特派員からの写真は、宮崎の「日之影温泉駅」です。駅とは言っても、すでに路線が廃止されていますので、線路のあった場所はすでに草が生えていて、鉄道が走っていたころの美しく整備された様子は見るべくもありません。
4年前の9月、台風の影響で増水した川にのまれ、駅は甚大な被害を受けました。その爪痕はこの駅にとどまらず、高千穂鉄道を寸断させ、結局は廃止に追い込んだのです。
もともと高千穂鉄道は国鉄時代、神話の里として知られる高千穂まで開業した路線で、あと23キロ西へ延ばせば、熊本から東に延びる高森線とつながるはずでした。実際の工事も進められましたが、トンネルの出水事故を発端に、国鉄の財政難もありそのまま工事は凍結。行き止まりのまま第3セクターに引き継がれた路線です。
日本一高い鉄道橋として知られた高千穂橋梁など名所も多く、風光明媚な路線でしたので、一度乗ってみたかったのですが…。
地元では、まずは「鉄道記念公園」の指定を受け「遊具」として車両を運行し、路線復活を目指す動きも始動しています。たいへんな道のりではありますが、神話の国らしい追い風が吹くことを祈るばかりです。