#280「スポーツ&スーパー」
日産のフラッグシップ、といえば泣く子も黙る「GT-R」であることに、もはや世界中の自動車関係者が疑問をさしはさむ余地はありません。で、今回はそのGT-Rの性能をさらに磨きあげた「GT-R Spec-V」も試乗しました。マルチパフォーマンス・スーパーカーを標榜してきたGT-Rの扱いやすさは変わらず、その限界はさらなる突き抜けぶりを発揮(私はもちろんその限界には遠く及ばない範囲の運転技量しかありませんが)。これはわれわれの知る通常の車とは別の次元にある感じがします。もっとも、お値段も1575万円ですから、次元が違うというのももっとも。いま気づきましたが、私がこれまで運転した中で最高額の車です。テストコースだけに、公道では不可能なドライビングを楽しみましたが、ちょっと値段のことを考えるとドキドキします。
いっぽうフルモデルチェンジをしたばかりの「Z」に乗ってみると、自分の知る次元の延長にあるのかな?と思ったりします。ああこっちはもしかしたら馴染むことができるかも、と思い込めるような気もいたしました。実際にはこれとてきわめてハイレベルなスポーツカー。奥深さは私の運転技量などでは到底及ばぬ世界なんですけど。
エコ・低価格が最優先される自動車界にあって、こういう「スーパー」な車、「スポーツ」しちゃう車というのは肩身が狭い時節。しかるにこの種の車無くしては、あらゆる面での進化もあり得ないのです。決して数の売れる車ではありませんが、各メーカーにはぜひとも理想を追求してほしいですね。