#278「遠路」
JR有楽町駅の改札を出ようとした時にふと見上げた案内板です。銀座口の改札ですが。「有楽町マリオン」。ふむふむ。すぐ近くだ。「東京交通会館」。そうね、線路の横に建っていますね。…「歌舞伎座」。え?歌舞伎座、ですか。
このコラムをお読みの皆さんは当然パソコンをお使いでしょうから、東京都心の土地カンの無い方、地図サイトを見てみてください。有楽町駅と歌舞伎座の距離は…。絶対的な距離はそう遠くないのですが、東京都民の感覚でいうと、歩くにはけっこうあるでしょう?
これがほかに競合する路線のない地方の駅ですと、その駅の周辺の施設や名所旧跡がすべて案内板に書かれるのも確かに仕方ありません。たとえ駅から数キロ先の物件だって、ほかに「最寄駅」が無いんですから。でも東京都心はきわめて密に、いくつもの路線が交錯しています。
歌舞伎座の最寄駅というと、東京メトロ日比谷線と、都営浅草線の東銀座駅、がドンピシャ。有楽町駅からてくてく歌舞伎座に向かうお客さんて、どれぐらいいるのでしょうか…?確かに「JRの駅としては」有楽町駅が最寄り駅ではありますが。
もしや、ほかの駅の案内板でも同様に「そこに行くにはほかの路線のほうが…」という例、あるのでしょうか。俄然気になってきました。しばらく注視してみましょう。