#254「原色」
こちらは昔懐かしい「国鉄特急色」です。私のような昭和生まれの鉄道ファンは、この、赤とクリーム色の塗り分けこそ、「特急」の「原色」なのであります。しかるに国鉄末期、分割民営化の頃から、急速に塗り分けが多様化しました。地域ごと、路線ごと、あるいは特急の名称ごと、といった具合にバラエティに富んでくるわけです。車内設備の更新に合わせて外装も原色におさらばするのは必然なのかもしれません。
「撮り鉄」と呼ばれる、撮影を専門にする鉄道ファンにとっては、「採集」する対象が爆発的に増えたわけです。しかも、はかない期間で新しい塗り分けも変更されたり消滅しちゃったりしますので、これは油断ならないのでしょうね。
ということで、もう1枚の写真。九州は大分駅で撮影したこちらはずいぶんと派手な塗り分けです。でももとの形は1枚目の写真と一緒。ここまでくっきりした赤や緑の原色で大ぶりな塗り分けも珍しいのでは。さすがJR九州です。帰京して女性スタッフにこの写真を見せたら、「この電車、すんごくかわいいですね。どこ走ってるんですか?」と言っていたので、好感度もいいようです。原色から原色へ。それぞれにファンがいるわけですね。