#249 「ホバー 2」

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 ホバークラフトは地表面や水面から浮き上がるがゆえに、抵抗が少ないため高いスピードが可能になるのです。反面その特性ゆえに、操縦には非常に繊細なワザを求められます。昔読んだ本では「もしも素人が操縦桿を握ったら、ボンヤリしているうちに風に流されてあらぬ方向にすっ飛んでしまう」と書いてあった記憶があります。 ホバークラフト操縦席浮き上がっているということは、「その場に踏ん張れない」んですもんね。確かに見ていると、パイロットは片時も手を休めることがありません。…そして乗り心地は。波頭に当たっているのでしょうか、時々お尻の真下からズンズンと突き上げる感覚があります。でも快適快適。

  ホバークラフトそしていよいよメインイベント。空港での「ドリフト走行」です。海から上がったホバーは、空港ターミナルへ進みます。その途中、S字カーブがあるのですよ。そこでは船体は向きを変えないまま、横方向にスライドして進むのです。これもスピードを落とさないための作戦か。これが…不慣れな乗客が驚かないように「横方向に動きますがご安心下さい」みたいなアナウンスもあって、乗りもの好きはますます期待が高まります。パイロットは紙幅の都合で書ききれない、同時並行的な操作を休み無く繰り広げて、きわめてスムーズに到着しました。すみません、表現力不足。何しろ私自身もパイロットの手さばき、外の景色、乗客の様子などいくつ目があっても足りないぐらい見ていたもんですから…。

 新年度。なかなか明るい話題の見つからない春ですが、たまにはホバークラフトのように、ちょっとした浮き浮きがあるといいですね。


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プロフィール

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近野 宏明
(こんの ひろあき)

現在、ワシントン特派員。鉄道、自動車、航空機などの乗りもの・交通全般に詳しい。

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このブログ記事について

このページは、近野 宏明(こんの ひろあき)が2009年4月 3日 13:54に書いたブログ記事です。

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