#177「短距離」
前回紹介した穴守橋。欄干そのものには、空の乗りものの歴史が刻まれています。数メートルおきに、名機の雄姿が刻まれたプレートが取り付けられているのです。
最初はモンゴルフィエの気球(1783年)。リンドバーグが大西洋を横断したスピリット・オブ・セントルイス号(1927年)、日本国内での営業飛行から退役したYS-11(1962年)など。短いようで意外に長い空の歴史です。
「長い」話のついでに「短い」話を。この穴守橋、地図で見ると国道131号の標示があります。都心に近いわりにはあまり馴染みのない数字の国道。調べてみたら、総距離わずか3.8㎞しかない短い国道のようです。羽田空港から国道15号の交差点まで。ちょとしたジョギングでも20分ぐらいで完走できますね。
これはもしや「日本一」の短さかと思い、さらに調べると、まだまだ上があるんですね。これら短い国道に共通するのは、重要な港湾や飛行場からその都市の中心に向かう道だということ。羽田空港から車でこの131号を走ると分かりますが、穴守橋は羽田から最初の橋。東京へのゲートみたいなものです。短い短いアプローチながらとても重要な道と、長い歴史を刻んだ趣のある橋。131号はなかなか味のある国道であります。