#170「超コンパクト・1」
車は最低限どれだけのサイズがあればいいのでしょうか。そんなことを考えさせられる新車です。トヨタのiQ。全長はわずかに3mを切るボディに大人3人と子供1人の4人を乗せられるコンパクトカーです。
開発責任者にお話をうかがうと、最初に与えられたテーマは「パッケージング」の追求だったそうで。とにかくありとあらゆるものを小さく作れば新しいパッケージングが生まれると。いわく、「開発にあたってよく使われた言葉に「オリ」というのがあるんですね」「ええ、動物のオリと同じ、オリです」・・・たとえばエアコンのユニットは縦横高さ何センチの中におさめる、そういう枠(=オリ)を決めてすべてにとりかかったそうです。それは各部門の開発に相当の知恵を絞らせたことでしょう。
結果として、助手席側のダッシュボードがぐっと前進。 後席に大人をもうひとり乗せることに成功したわけです。しかし成功したのは単にこの車だけではありません。それだけあらゆるものを小さく作れるということは、通常サイズの車にもその技術を応用できます。車の世界は小型化・軽量化が次へのステップボード。今回この車で培った技術は、見えないところで、次のトヨタ車に生きてくる可能性、大です。