#171「超コンパクト・2」
エコと一口に言っても、じつにいろんな局面があることを考えさせられました。前回に続きトヨタの超コンパクトカー、iQの話です。走行距離あたりの二酸化炭素の排出量は、プリウスをしのぐそうですよ。
でも、そのことより私が膝を打ったのは、開発責任者のお話でして。あるひとつの車種が、走るうえでの燃費がいいとか、二酸化炭素の排出が少ないとか、その尺度で個別にエコ性能を達成しても、その車を作るためのインフラ、ソフトもエコでなければ、意味がないというのです。たとえばできるだけ既存の生産設備の範囲で、新たな環境負荷をかけずに作り、流通させるというのもエコ性能の要素というわけですね。その点もかなりの自信がうかがえました。会見などでは明言しなかったそうですが、「生産段階」で「へえ!」と驚くようなエコ性能を持っていることも明かしてくれましたよ。
しかし開発が始まったときには、まさかここまでガソリンが値上がりするとは思わなかったはず。21世紀の自動車メーカーは、一にも二にも環境性能を高める総合力が必要。加えて、先を読む、時代に乗る力も必要なんですね・・・。