#113 「GT-R その2」
ゴーン社長とは1時間ほど過ごしたのですが、話をしていて驚くのは「迷いがない」ことです。 とりわけ運転しながら私が訊ねる質問は、行ったり来たりで脈絡も無いときがありました。そういう問いかけへの答えにも全く淀みがありません。「ええと」とか「うーん」といった間を取ることなく、口を開いてひとこと目から確固たる回答になっています。日々膨大な情報に接し、大きな判断をスピーディーに下していく国際企業トップならでは、なのでしょうか。頭の中の引き出しを検索し、的確な答えを引き出す早さが尋常ではありません。 そうした会話の中にのぞく、ちょっとソフトな「語録」をちょっとご紹介しましょう。
かくありたいと思うものの、真似するのは土台ムリがあるのでしょうね。
「きょうは仕事はしていません。近野さんと楽しんでいます。GT-Rのことを話すのは楽しいからね。これは仕事ではありませんよ」…前日には福岡の工場を視察するなど、3連休とは全く無関係に仕事をこなすゴーン社長に「休みが無いじゃないですか?」と訊ねたときの答え。
「特に、時には裏番組を見ないとね。そうすれば予想外のことを発見出来るかも」…ライバル車(ライバル社)の研究は大切、という話の中で近野へのアドバイス。まことにおっしゃるとおりです。
こうしてスキッと晴れた空のもと、GT-Rは都心を軽やかにそしてパワフルに駆け抜けてゆくのでありました