#042 「備え」

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 社会部の記者をやっていると、普通の生活よりも目にするコトの多い乗り物があります。いわゆる「緊急車両」です。事件の現場に行けばパトカー救急車、事故の現場では消防車救助車など。まぁ見かけるだけで、「乗ったこと」は無いのですが。今のところ。

     先日、羽田空港近くの消防署で、こんな消防車を目にしました。


                周囲を圧する大きさです。

 ちょうど表に出てきたベテランと思しき隊員さんに話しかけてみました。
全長9mを超えるこの大型化学消防車は、やはり空港周辺での事故を想定した配備です。この日は全日空機の胴体着陸事故の翌日。「やっぱり航空機が関係する事故のニュースは、常に気にしている」とのこと。羽田で同じ事態が起きたら…トラブルの具合によってはトラブル機が羽田に着陸することもあります。ハイジャックはなお確率が高まります。地上にあって常に空の心配もしているわけです。その時、を想定して準備をしているのでしょう。

 ところでここまで大きい消防車だと、「普段使い」には不向きだそうで。ここ蒲田消防署空港分署は、正面に広がる空港は遮るものがありませんが、署の裏手の住宅街は非常に道が狭いんだそうです。大型の化学消防車はもちろん、普通サイズのポンプ車でも進入不可能な路地が多く、十分な消火活動ができるか心配な面もあるとのこと。

 万全の「備え」をいかにそのとき活かすか。のんきに物見遊山に繰り出す乗りものとは対極にある乗りものですね。


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近野 宏明
(こんの ひろあき)

現在、ワシントン特派員。鉄道、自動車、航空機などの乗りもの・交通全般に詳しい。

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このブログ記事について

このページは、近野 宏明(こんの ひろあき)が2007年3月20日 00:00に書いたブログ記事です。

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