#039 「2階建て」

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 乗りものが好きな子供の多くは、「2階建て」と聞くとさらにわくわくするものです。「2階建てバス」などその典型ですね。街を見下ろす感覚の愉しさ。運転席も無いので最前部に座ればそりゃもう至福のとき、でしょう。…子供だけじゃありません。私もです。あまり大っぴらに言えませんが。

 飛行機も同様。ジャンボ(=ボーイング747)初搭乗とおぼしき小さなお子さんを見ていると、2階席への階段を見てはしゃいでいる。あの「ちょい狭」な階段を上がった先の、天井がすぼまった2階席は、なんだか「屋根裏部屋」を想起させるのでしょう。そういえば友達の部屋にあったロフトが羨ましかったなあ…ってなことも思い出します。

 アメリカ軍用の大型輸送機のコンペに敗れたボーイングが、民間機にその技術などを生かしたのが「ジャンボ」誕生の経緯。その最初期の機体で乗客を2階席にいざなったのは、らせん階段でした。のちのタイプは真っ直ぐな階段に変更されましたが、らせん階段の機材にたまたま乗ると、やっぱりこっちが粋だなあと感じたもの。私、らせん派です。

 時は流れて。エアバスが総2階建て(!)のA380を開発しました。総2階建てですよ。わくわく指数が急上昇。その2階席への階段は、らせん型が採用されたようです。慶祝。分かってるなあと感じ入りました。くりかえし、慶祝


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近野 宏明
(こんの ひろあき)

現在、ワシントン特派員。鉄道、自動車、航空機などの乗りもの・交通全般に詳しい。

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このブログ記事について

このページは、近野 宏明(こんの ひろあき)が2007年3月 9日 00:00に書いたブログ記事です。

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