#035 「新車」
テレビ局に関係しないと全く馴染みのない乗りもの…。そう、中継車です。本日、我らが日本テレビの新中継車が稼働いたしました。「604号車」です。国産メーカーのトラックをベースにした車体は、白をベースにした新しい塗りわけに。このカラーリング・デザインは日テレのブランド戦略に沿ったもの。シンプルで控えめな感じで、私は好きです。
タテヨコのサイズは大型の乗用車とほぼ同じ。意外と小さいのですが、これは報道用に使う中継車にとって大切なことの一つ。無駄に大きいと「停める」のに難儀をするんですね。…いざ出動、現場着。当然他社の車両も集結します。となるといかに適切な停車場所を確保するかが死活的重要事項になるんです。だだっ広い原野や山中ならともかく、街中では停車スペースも限られますからね。まず周辺に迷惑を掛けてはいけない、映像や音声を送るアンテナがビルなどの陰に入っては困る、といって現場から遠すぎては意味がない、などなど厳しい「停車条件」があるんです。いまや「コインパーキングに停められる」というのが、そうした条件のひとつになっています。
ことほど左様に、中継車は最新鋭の機材を満載してなおかつ程よく小さい、という二律背反を満たす、大変な乗りものなんです。当然、搭載している機材も最新の小型化されたもの。ベースとなるトラック以上に、とんでもないコストがかかっています。
…ううむ、これを「乗りもの」というべきかだんだん迷いが出てきました。むしろ、ごく小さいテレビ局に移動装置が付いたもの、という感覚の方が正しいかもしれません。とはいえ、稀に中継車の助手席に乗って出動したりすると、俄然士気が上がるのも事実。つまり中継車は、生放送や報道ならではの「現場の世界」へいざなう乗りもの、とも言えましょう。画面に映ることは滅多にありませんが、今後の604号車の活躍にご期待下さい。