#034 「ヘンな名前」
飛行機の勉強のため、ふむふむと「旅客機年鑑」を読み進む…。と、中には正式な形式名のほかに通称のある機材が結構あります。有名なところではロッキードのL-1011という無機的な正式名称の飛行機、通称は「トライスター」ですね。あらら、ロシアの飛行機にも「通称」らしきものが。CLASSIC やらCLOBBERやら。とりわけ目を引いたのはCARELESSというもの。ツポレフのTu-154という機種の通称のようですが、いくらなんでも「ケアレス」はないだろうと。ロシア語の出来る記者にその意味を尋ねても「そんなロシア語はない」。そうか、どれも英語っぽいなと調べると、これらの通称はNATOが旧ソ連の兵器や航空機などに勝手につけたコードネームだったんですね。
確かに敵方が勝手につけた感じです、それぞれに。例えばツポレフTu-134「CRUSTY」は「汚い・みすぼらしい」といった意味。ヤコブレフYak-42「CLOBBER」は「容赦なくぶちのめす」。イリューシンのプロペラ機「COOT」は「けったいな年寄り・間抜けなやつ」という具合。まさに冷戦下の命名。最近はこうしたコードネームの使用が徐々に減っているそうで、最新版の旅客機年鑑をみても、記載されていません。それにしても渾身の力作を「間抜け」呼ばわりされたら誰だって立腹しますよ。ちなみに報道フロアにはCARELESSという名を知らずにTu-154に搭乗した経験のある人が数人いました…。知らぬが仏か?