#019 「謹賀新年」
あけましておめでとうございます。ことしも「乗りもノート」をご愛読、宜しくお願い申し上げます。
ということで年始の初回は「参拝系」とでも言うべき駅舎のお話です。
最初の写真は太宰府の駅舎。西鉄太宰府線の終着駅です。天満宮を模した造りでなかなかいい感じ。やっぱり門前町、寺社町の駅はこうでなくちゃ、と思いますよね。改札を出て右に進めば、名物「梅が枝餅」のちょっと香ばしい匂いがぷうんと漂う楽しい参道が続きます。
こういう造りの名物駅はかつてあちこちにありました。旧長野駅は、大きな三角屋根を載せた「仏閣型」の駅舎でした。善光寺と間違えて手を合わせた人がいる!という噂もあるほど。
しかし残念ながら長野新幹線の開業に合わせて地域性を殆ど感じない橋上駅舎になってしまいました。多数の乗客をさばくには現在の駅舎が効率的なのでしょうが、実に残念。
いっぽう出雲の国、旧大社駅もじつに趣深い造りの立派な駅舎。街のランドマークに相応しい重厚な構えです。しかしこちらは路線そのものが廃止されたようで。保存・活用されているのがせめてもの救いです。
もう一枚の写真は太宰府天満宮。毎年200万人もの参拝客が押し寄せるお宮です。
言わずと知れた菅原の道真公を祀った社殿の前には、伝説の「飛梅」が。左遷された道真公が
「東風ふかば
にほひおこせよ
梅の花
あるじなしとて
春な忘れそ」
と詠んだところ、主を追って京都から飛んできたという(!)梅の木です。境内も駅周辺も、今頃はたいへんな賑わいでしょう。
新しい年、読者の皆さまにとっても素晴らしい一年になりますように。