#012 「どこに!」
私の知人に、通勤経路上のすべての駅で、トイレがどこにあるかを把握している男がいます。しかも一時は結構な距離があるところに住んでいました。駅の数も決して少なくはありません。彼はどうも、朝の時間帯にお腹がゆるくなっちゃうらしいんですね。ゆえに、どのタイミングで「お腹警報」が発令されても大丈夫なようにと。必要に迫られた知識なんです。
ご自身の通勤経路を思い出してみてください。自宅に近い駅から会社の最寄り駅まで、どこにトイレがあるか分かっている駅がどのくらいあるでしょう?私の場合は…3駅に過ぎません。しかもそのうち1か所は、できれば使いたくない、緊急中の緊急に限る物件、というべきものです。
考えてみると、かつて駅のトイレの惨状たるや、まぁ酷いものでした。ちょとしたローカル駅でも、改札を出た外のトイレなんぞ、近づくだけで鼻がグイッと曲がってしまいそうなもの。男性用トイレは小便器も無く、ただの「壁と溝」だったり。
隔世の感とはこのことです。いまや多くのトイレが綺麗になりました。それだけに旧態依然のところは目立ちます。冒頭に紹介した彼、きっとトイレのランキングがあるはずです。お腹の具合をみながら、「ううむ、この塩梅ならあの駅まで頑張ろう」とか「だめだ、心ならずも○△駅で降りるしかないか…」なんて。鉄道会社のトイレご担当者様、なお一層の改善をお願い申し上げます。