#011 「ささやかな贅沢」
延々と通勤電車の「7人掛けシート」について述べてきました。そこに派生する悲劇的な出来事も。今回のテーマは景気よく、「グリーン車」について。時刻表を眺めて「普通列車にグリーン車があるっ!」と発見したのは子どもの頃。新潟の小さな町に暮らしていた時分です。都市部ではありませんから、「普通列車のグリーン車」の意味が理解できませんでした。
それから幾星霜。日本テレビの社屋からは行き交う「普通列車のグリーン車」が目に入ります。私も『真相報道バンキシャ!』の頃、ゲストのお宅に打ち合わせに出かける際、何度か利用しました。自腹で(←必須)グリーン料金を払って、お茶とお菓子(←必須)を購入の上、見晴らしの良い2階へ上がります。日中は、広々した空間は席の取り合いとも無関係。ゆったりできます。最近は東海道線や横須賀線も普通車のボックスシートが減少中。それだけに、グリーン車に1時間ばかり乗ると十分にモトをとった気分になるわけです。雑誌を買って喫茶店に入ってコーヒーを飲んだら、似たような額になりますから。
それにつけても羨ましいのは、グリーン車で日々通勤をしている方たち。新橋駅近辺で朝の電車を見ていると、背もたれを倒して熟睡する人、コーヒーを窓際に置いて新聞や本を熟読する人…。遠方からの通勤でも、これなら時間の有効活用ができそうです。隣の普通車の混雑とのコントラストが激しいほど、ささやかな贅沢の価値が高まります。しかし首都圏はそういう選択ができる路線は限られています。私鉄も含め、もうちょっとバラエティに富んだサービスが提供できないものでしょうか。