#004 『 寒くて、暑い 』
立冬を過ぎ、東京もいよいよ気温が低くなってきました。この時期、朝自宅をでるときは肌寒いのでコートを羽織りますが、いざ電車に乗ると、ムンとする暑さや人いきれのにおいにクラクラしてしまう時があります。加えて、車内のあちこちに風邪をひいている方も多い時期。この淀んだ、ストレスに満ちた、もわっとした空気を何とか一掃したいっ!と思うことはしばしば。
しかし昨今の電車は窓が開かないものが多く、この願望が叶わないんですね。新橋駅を行き来する通勤電車も、そのタイプが多いようです。しかし京浜東北線の209系では、「手術」が行われつつあります。登場以来10年以上、「はめ殺し」窓のスキッとしたデザインだった銀色の車両。その大きな窓を分割したうえで、一部分が開くように順次改造されています。窓のデザインは損なわれますが、トラブルの際にエアコンの利かない密室になるのを避ける狙いがあるようです。
もちろん緊急時の換気口としての機能はありがたいもの。さらに、この寒さと暑さが同居する時期にこそ、すこーしだけ新鮮な外気を入れるのに使いたい。窓の開かない他の車両も改造を進めて頂きたいところです。しかしいざ開けるとなると、周囲の目も気になるんですよねえ。自分がこの車両の空調担当を買って出ていいのか?「おいおい、開けるのかよ」と心の中で思っているひとはいないか?不快指数と自意識とのせめぎ合いはしばらく続きます。