小倉沙耶の沿線だより

そんな歴史ある街豊橋の自慢は「路面電車が走っていること」です。
前述の豊橋鉄道東田本線がそれなのですが、市民は愛着を込めて「市電」と呼んでいます。
かつては全国でたくさん走っていた路面電車も、東海地方ではこの東田本線(以下、市電)を残すのみ。
市電は、街のシンボル的な存在になっているんです。

市電では2007年から、車内でおでんを味わうことができる企画列車「おでんしゃ」を、冬の時期(11月下旬～1月末)に走らせています。

土日だけでなく平日も運行しますが、毎年あっという間に全便満席となる、大人気の列車です。
ずっと気になっていた「おでんしゃ」。
今回、とある団体さんが主催する貸切列車にお招きいただき、初めて乗車することができましたので、車内の様子をレポートしたいと思います！

時刻は16時。
見た目のインパクトも凄いおでんしゃが、駅前電停に入線しました！
乗降扉にはのれんが取り付けられ、車内には赤提灯も。

正に、走る居酒屋！
居酒屋といえば、このおでんしゃでは何と、生ビールが飲み放題になっています。
登場当初は缶ビールだったとの事ですが、生ビールの方がより赤提灯が似合う空間になりますね。
おでんしゃに乗車すると、更に居酒屋らしさを満喫できるものがもらえます。

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地元豊橋の酒造メーカーに作ってもらったというオリジナルカップ酒と、酒枡です。
酒枡には「おでんしゃ」の文字と、最新型低床車両「ほっトラム」の姿が描かれています。
この他にも、特製かけ紙のついたおつまみ弁当もついて、更に車内ではカラオケを楽しむこともできるという、大人の夢を絵に描いたような素敵な列車。
すぐに満席になるのも頷けます。

「カンパーイ！」

いよいよ発車！
と、あちこちから「シュッ！」という音が。
おでんは、石灰を使った加熱式容器に入っており、シュッと紐を引いて暫く待てば、アツアツをいただくことができるんです。

ジャーン！
玉子や大根、ちくわといった7種の具がお目見え。
写真を撮った後、あっという間に私のお腹の中に納まりました(笑)
あっさり目のお出汁で、三河弁で言うなら
「どうまいやぁ」(とっても美味しい)！

おでんしゃは鉄道路線日本一である半径11mの急カーブを曲がり、運動公園前電停に到着。
ここでトイレ休憩をとり、再び駅前電停へ戻ります。
同じ鉄道好きな皆さんと乗車したということもあって話も弾み、あっという間に駅前電停へと到着したのでした。

豊橋鉄道さんでは、おでんしゃの他にも、様々な企画列車を運行しています。
夏に運行する予約制の「納涼ビール電車」は、おでんしゃと並ぶ大人気の企画列車で、車内にすだれや風鈴が飾られ、豊橋鉄道グッズの抽選会も行われます。
そして私がオススメするのは、現在豊橋鉄道渥美線で運行されている「なのはな号」。

渥美半島で毎年開かれる、菜の花まつり開催に伴って運行される列車で、車内外が菜の花色に彩られています。

車内からは菜の花が見られるポイントもあり、春の行楽にうってつけ！
乗車予約は必要なく、豊橋鉄道さんのホームページには「なのはな号」時刻表や、車窓から菜の花が眺められるポイント等も案内されています。
是非、なのはな号に乗って、私の地元、豊橋・渥美半島を満喫してみてくださいね！

鉄道アーティスト　小倉沙耶レポート

小倉沙耶のやわやわ日和