★小倉沙耶レポート★ リバイバルカラーを追って飯田線へ

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リバイバルカラーを追って飯田線へ

 

 

JR飯田線。豊橋駅から愛知県・静岡県・長野県の山間を通り辰野駅へ至る、全長195.7kmのローカル線です。

 

現在、飯田線では11月1日に閉館となる「佐久間レールパーク」に関連する様々なイベントを行っています。 8月29日と30日の両日に「夏休みフィナーレイベント」の一環で行われた、117系と119系のリバイバルカラーが中部天竜駅で並んだイベントもその一つです。

 

※写真) レールパーク

 

リバイバルカラーとは、塗色変更が行われている車両を、かつて走っていた 塗色へ塗り戻すこと を指し、鉄道ブームの追い風もあり全国で様々な車両が、登場時の塗色で走っています。

 

 

 

飯田線の主力車両である119系は、かつて青色のボディに薄い灰色の帯を巻いて走っていました。国鉄からJRに転換されて数年はそのままの色だったのですが、 1980年代後半にはJR東海の代表塗色である「ベージュ地にオレンジ+緑帯」に変更され、現在も同じ塗色で活躍しています。

  

一方、117系は新快速用車両として登場した車両で、登場時はクリーム地+マルーン帯というシックな塗色でした。JR転換後、 1990年代初めにはJR東海在籍の全ての117系が、アイボリー地+オレンジ帯に塗り替えられました。

 

 

 

 

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※写真) 左:117系、右:119系

 

青い電車がいたよ!」

119系がリバイバルカラーになってすぐ、私の地元である豊橋に住む幼なじみから、興奮気味のメールと写真をもらいました。青い飯田線の列車は、1980年代のうちに消滅してしまったので、年齢が20代ですと見たことがない方も勿論居ます。

幼なじみもその一人。

 

かつてこの色の列車が飯田線で活躍していたことを伝えると、彼女はとても興味を持ってくれて、すぐに飯田線や車両の歴史を調べたそうです。リバイバルカラーは、ただ懐かしさを伝えるだけではなく、知らない世代が路線や車両に親しむきっかけづくりになるのだな

・・・と、とても嬉しくなりました。

 

 

 

今回レポートする117系と119系の並びも、彼女に伝えると「一緒に行く!」と即答をもらい、まずは豊橋駅で待ち合わせとなりました。豊橋駅に到着すると、ホームには次の天竜峡行き列車を待つ方々がちらほらといらっしゃいました。発車まで30分以上前ですが、豊川より先に向かう列車は本数が少ないため、かなり前の時間から乗車待ちの列ができるんです。

幼なじみと合流し、早速私達も列に加わります。

 

豊川行きの列車を見送り、ようやく天竜峡行きの列車がやってきました。

早めに並んでいた私達は無事に座席を確保。

予想通り、車内はあっという間に満員となりました。

 

 

  

列車は山を分け入るように進みます。

と、幼なじみが「なんか、山の中なのにすぐに駅に着くね」と一言。 

実は、飯田線は195.7kmの路線の中に94駅もあり、平均駅間は 2.1kmと、ローカル線としてはとても短いのも特徴の一つなんです。

 

 

 

そして、ある駅に到着。「いずん・・・ま?」

出馬と書いていずんまと読む、難解駅名の一つです。他にも大嵐・為栗・駄科・鼎など、飯田線には思わず首をかしげる難しい駅名が沢山あります。お子さんと一緒の旅では、時刻表を片手に「次の駅名はなーんだ?」なんてクイズをしてみるのも楽しいかもしれませんね。

 

 

 

 

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※写真) キハ181

 

いよいよ、イベントが行われている中部天竜駅に到着

ホームの向かい側にはリバイバルカラーの117系が止まっています。

関西地区では今でもオリジナルカラーの117系が走っているため、大阪在住の私は「近くで見られるし・・・」と思っていたのですが、塗り戻してピカピカのボディを目の当たりにし、さらに飯田線でこの車両が見られた嬉しさで舞い上がってしまいそうでした

 

 

 

そして、その隣には真っ青な119系!

私の記憶の中では微かにしか残っておらず色あせていたその色が、鮮やかに瞳の中へ飛び込んできました。先頭部分で写真を撮るため、撮影列に並びます。

私達はすぐに並んだため、列は比較的短かったのですが、ふと後ろを振り向くと長ーい行列!

ところどころで「懐かしい」という声が聞こえてきました。

 

子供の頃見た本やビデオの記憶の方が強い私は、実感を帯びた声がとても羨ましく感じます。

沢山の方が並んでいるため撮影時間は短かったのですが、子供の頃の思い出をこめてパチリ

青空と青い119系が映える、素敵な写真が撮れました。

 

 

 

その後は、中部天竜駅構内にある鉄道博物館「佐久間レールパーク」を見学。

夏休み最後の土曜日、そしてリバイバルカラーイベントということもあり、多くの方で賑わっていました。冒頭にも書きましたが、佐久間レールパークは今年11月1日で閉園となります。

花魁車とも称される建築限界測定車「オヤ31」や、大出力エンジンを搭載した特急用車両「キハ181」のトップナンバーなど、見所盛りだくさん

是非、皆さんも閉園前に足をお運びください。

 

 

 

 

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※写真) オヤ31

 

117系は、臨時列車・団体列車としての運用時に、飯田線へ入線します。

今回も、名古屋~中部天竜間を走る臨時快速列車「佐久間レールパーク1号」として飯田線へやってきました。ここで乗らなければ、次にいつ飯田線内で117系に乗れるか分からない・・・ということで、折り返しの「佐久間レールパーク2号」に乗って豊橋へ戻ることに。同じことを考える方が多かったのか、自由席は超満員です。

熱気に満ちた中、117系はゆっくりと動き始めました。

 

 

 

「乗っちゃえば、色が違っても普通の電車と変わらないね」

小学生くらいの女の子が、パパの膝に座りながら言っていました。

「でも乗り心地はいいでしょ」

鉄道ファンらしきパパは苦笑い

 

 

 

元々阪神地区において、私鉄の特急に対抗するために設計された車両のため、確かにパパの言うとおり乗り心地は良く、木目調の化粧版は高級感を感じさせてくれます。

車窓が美しい場所では観光案内の放送も入り、車内では

「あっ!川が見えた!あっ、トンネル・・・また見えた!」

チラリチラリと見える景色に親子連れもニコニコで、あっという間に豊橋に到着したのでした。

 

 

 

地元の方や古くからの鉄道ファンにとっては懐かしいリバイバルカラーと、国鉄時代の思い出がいっぱい詰まった「佐久間レールパーク」。幼稚園から共に過ごしてきた幼なじみと過ごしたこともあり、昭和へ帰った一日でした。

皆さんも、なつかしいあの日へ戻ってみませんか?

 

 

 

 

 

鉄道アーティスト 小倉沙耶レポート

小倉沙耶のやわやわ日和 http://kokurasaya.blog111.fc2.com/

 

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