#475「続・運搬」

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 前回の記事の写真で、もしかしてお気づきの方がいるかもしれません。というか、気づいて欲しくてあの写真を使ったのです。シーホークス仕様のジャンボの向こうに、別の飛行機が2機、見えますね。私も見つけちゃいまして、ズームインしました。

20160209-1.jpg  これです。どうですこの不自然なフォルム。機首と尾部は普通のジャンボ(ボーイング747-400)なのですが、胴体の真ん中はぷくっとふくれています。ちょっとたとえがよろしくないですが、「自分より大きな獲物を食べた蛇」のようであります。

 これ、世界で作っているボーイング787の「部品」をここワシントン州の工場に運ぶために改造された輸送機、その名も「ドリームリフター」なんですね。垂直尾翼の少し前の方で、機体そのものが左にぐいっと折れ曲がって開き、コックピットのすぐ後ろまで格納室が巨大な筒状になってドーンと広がるという仕組みです。すごい...。(その様子は画像検索してみてください)。

 ということは何万点もの沢山の部品を送るの?というとそうではなく、「部品」そのものの大きさがデカいからこれだけの容積が必要なんです。その証拠がこちら。

20160209-2.jpg  ちょうど、ドリームリフターから降ろしたばかりの2つの「部品」が台車に載せられ運ばれています。真横から見ると、これ、飛行機の機首部分ですね。スルッと右にむかって下がっているラインからして、ボーイング787の頭です。ボーイング787は世界各地で胴体や主翼などを組み立てて、それら巨大な「部品」をここに運んで最終組み立てするという製造方法で、日本からも随時送られているそうです。ロシアのマトリョーシカのように、機体の中に機体が入って居るわけですね。

2016年8月

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プロフィール

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近野 宏明
(こんの ひろあき)

現在、ワシントン特派員。鉄道、自動車、航空機などの乗りもの・交通全般に詳しい。

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このブログ記事について

このページは、近野 宏明(こんの ひろあき)が2016年2月 9日 12:58に書いたブログ記事です。

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